略奪者。

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2006-09-20

今年も奴等が来るだろう。

年の暮れ 奴等は雪の中 やってくる。

村のみんなが一年精魂込めた収穫を 貧しいながらもようやく用意できたささやかな正月のご馳走を 根こそぎ奪いにやってくる。

奴等が現れたのは 4年前の事だ。

年の暮れ 町での所用を済ませた俺が夜 村に戻ると そこかしこの家から火が上がっている 村はほぼ壊滅していた。

道端に倒れて血塗れなのは 三本松下の吾作だ おい 大丈夫か 何があった!

息も絶え絶えの吾作が云うには 何処からか現れた6人組が 村の各家に押し入り 略奪した というのだ。

皆の必死の抵抗にも奴等は動じず 抵抗するものには容赦ない虐殺をし 淡々と 何の感情もなく 奪い続けた という。

『あいつら 人間じゃねえ 殴っても刃物で切っても まるで通じねえ ば 化け物 だ ゲフ…ッ』

そう云って吾作は血を吐いて事切れた。

は もしや 俺の家も。

俺は一生懸命 脚がもつれつつ 全速力で走った 走った 走った。

家に着いて その場で倒れこみ 声にならない絶叫を上げた。


あれから 毎年奴等は やってくる。

生き残った皆の努力でようやく復興しかけた次の年の暮れ 再び現れた奴等の略奪で その努力も灰燼に帰した。

次の年の暮れはお代官様への懇願で 夜盗取締りの同心様が一団で警護に当たってくださったが 皆殺しにされた。 

今年も奴等はやってくるだろう。

与平さん あんたが去年 自分の命と引き換えに護り抜いた種もみ 立派に実ったよ。 今年の冬も 厳しいけれど なんとか越せそうだ。

伊作 お前の息子ももう十才だ。 お前がどんだけ立派に戦って死んでいったかを 誇らしく思ってるってよ。

庄屋様 あなたほど立派な方は居なかったって思えるよ 俺なんかを庇ってしまったばっかりにあんな事に…。 出来ることならあなたは村の将来の為に生き残ってて欲しかった。 

タヅ オヨネ 今年はお前たちのところに行けそうだよ だが それはお前たちの仇を討ってからだ。 お前たちの命を奪った奴等を絶対に許さない。

俺の妻子を殺し 俺の右腕左足を潰した奴等 今年こそは奴等の好き勝手にはさせないからな。 ようやく手に入れた御禁制のコレで 俺の命と引き換えてでも…。 どうか 死んでいったみんな 俺に力を貸してくれ…!!




翌朝

「おじいさん 今年は アレが来ませんでしたねえ」

「おかしいねえ ここ毎年 必ず来てくれていたのに」

「おじいさん ちゃんと アレ やりましたか?」

「当たり前だろう ちゃんと 被せたさ」

「ちょっと 見てきてくださいよ このままじゃ 今年のお正月 ご馳走なしですよ」

「うーん 確かに被せたんだけどなあ」

村のはずれに住む老夫婦 二人そろって 外れにある六地蔵のところへ。

「毎年やってるように ちゃんと お地蔵様に笠を被せたんだけどなあ」

二人が六地蔵のところに着くと そこにはお地蔵様の姿はなく かつて地蔵であったと思われる焼け焦げて粉々の残骸と 破れてボロボロの爺さんの被せた笠。
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Comment

名状しがたきもの : 2006-09-20(Wed) 18:44 URL edit
ちょwwww
笠地蔵ヒドスwwwwww
名状しがたきもの : 2006-09-23(Sat) 13:12 URL edit
笠外道wwww
名状しがたきもの : 2006-09-23(Sat) 13:53 URL edit
いい話です。復讐できてよかったですよね、権八さん(勝手に命名)。
名状しがたきもの : 2006-10-05(Thu) 02:37 URL edit
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