酒場で知り合った女の人の話。

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2006-08-24

「ちょっとしたご挨拶代わりさね」と 彼女の差し出した右手 握りこぶし ぱっ と開くと一輪の赤い花。

へえ 随分とキザな手品じゃないですか。 これで何人の男を手玉にとったんですかい?

「失礼だね。 手玉になんかとっちゃいないし 手品でもないよっ」

手品じゃない? と 僕 彼女の手をとりジックリ観察しますれば ああ この花 彼女の手から 直接生えていて

「この花は 私に寄生しているのさね。 ひょんなことから植付けられた花の種が 私の身体の中 芽吹いて深く深く根を張って 見事な花を咲かせたっさ」

それは 病院に行ったほうがいいんじゃないのですか

「病院に行っても無駄だよっ。 もう私の背骨周りに根が走りまくってるからね 取り除こうにも取り除けないのさ。 むしろ張った根が神経系の代理作用をしてるらしいから 生やしておいた方が都合がいいのさね」

ふむう。 それにしても ひょんなことで種付けって どんなことですか

「やっ そんな恥ずかしいこと云えないよぅ このエロス人っ」

エロス人ってなんですか

「んっと 私はねえ 相手を探しているのさ」

相手? なんのです

「交配の相手さね」

交配… ふふん また エロい云い方をするじゃないですか 不肖ワタクシでよろしければ あなたのお相手を?

「わ 私じゃないよっ この 私に寄生してる花のことだよっ」

なあんだ 花のことですか って 花のことってなんですか?

「この花は 動物に寄生して繁殖範囲を広げてきたさ でも ある時 一部の隔絶された地域を残して死滅してしまったのさね で たまたま通りかかった動物に この場合は私のことだよ 種を植付けて 更には別株の花に種を植付けられた動物と接触して交配するように命令したのさ」

はあ 命令ですか

「そうだよ 今も 私の脳まで張った根から 絶え間ない指令がビンビンだよっ 『見つけ出し 交配せよ』ってねっ」

うわあ 電波みたいのが

「私が いつか ソレと交配できたのなら 私の中の花は種を成して別の誰かに種付けて 枯れて朽ちて ようやく私は解き放たれることができる らしいんだけれども。 けれどもねえ ほとんど死滅して この世の何処に残っているとも知れない別株の者なんて やっぱりお目にかかったことがないよ。本当に 長いこと探して探して探して探して探し続けるのも もう 疲れてしまったさ」

そんな長いことって どんだけの期間探し続けてるんですか

「種を植付けられて かれこれ60余年 わたしゃ 当年とって81才だよっ」

と 見た目十代の娘のような彼女は 控えめな胸を張って笑顔で答えた。
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名状しがたきもの : 2007-07-21(Sat) 18:21 URL edit
鶴屋さんですか
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