霊験あらたか

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2005-11-24

「知ってるかい? この上の神社の境内の桜の木。 近頃じゃあ あの桜の木に願掛けすると恋の願いが叶う なんていわれているけれども。 結構前のことだよ もう一昔前になるかなあ。 その桜の木にロープを掛けて 首を吊って死んだ男がいたんだよ」

と 神社に続く石段 黙って腰掛ける僕に 彼が云いました。

「その男の死んだ理由ってのは いたって簡単だ。ブサイクをこじらせた 非モテが度を過ぎた 恋愛に思い焦がれて憧れて憬れて夢みたが叶わなかった 愛されたいのに愛されなかった 全てに対して愛を向けたけれども嫌悪憎悪忌避軽蔑汚辱で返された 好きな人に語りかけた美しい言葉は吐瀉物扱いされて 自分以外の全てから傷つけられて でも自分以外の誰も傷つけたくないその男は 結局自分を殺してしまった」

なおも黙り続ける僕に構わず 彼は話し続けます。

「その男は自殺したものだから成仏できず 桜の木に縛された そのままだったら 自分の中に抱え込んだ恨み辛み妬み僻みとかでドロドロしたよくわからないものになってただろうなあ。 けれども そうならなかった。 何でだと思う?」


わかるわけがない


「その男はねえ ただの一度も恋愛経験のない終極にモテナイその男はねえ その神社の神主さんによって 恋愛成就の神様に祀られたんだよ。 おや 不思議そうな顔をしている。 なんで非モテの男が恋愛成就の神様なんかに ってな顔だ。 でも 案外そういうのは珍しくないんだよ。


火之迦具土神を産むときにホトを火傷して死んだ伊弉冉に 安産の霊験があるように。

下の病に罹って夫の住吉大明神に疎まれた淡島様に 婦人病の霊験があるように。

戦に負けて首を落とされた将門様に 首から上の諸病への効験があるように。


神様ってのは かつて 自らが受けた不遇不幸不運諸々の災難を除いてくれる霊験にあらたかなんだ。

だから もてない僕は 一度も恋愛経験のない僕は そのことに絶望して死んでしまった僕だからこそ 恋愛成就の神様になったんだと思う。

もう 僕みたいにモテない男はいらないのだから いてはいけないのだから 僕は 恋愛成就の神様になった僕は 一生懸命 恋愛を成就させてあげたかった。

本当に 一生懸命だよ でも 一回も恋愛したことないものだから 間違ったほうに一生懸命なのな。

ボーイズビーを読みふけって得た知識が大半だしな。

あとの残りは恋愛ゲームで得た知識な。

その通りに行動させようとして 大失敗な。

『パンを咥えて駆け足で登校中 曲がり角でぶつかったアイツは転校生?!』ってな演出したけれど 相手が転んで頭を打った拍子に大怪我で即入院な。

あと 間違ったほうに気を利かせたりな。

彼女が彼氏の家に遊びに行って彼氏の部屋でいい雰囲気になりかけてるとき 『お 二人ともドキドキして喉が渇いてるんじゃない?』って 彼氏のママにテレパシーを送って部屋にジュースを持ってきてもらったりな。

しかも三本。 彼女の分と彼氏の分 あとママが部屋に居座るために自分で飲む分な。

あと いたずらに 二人を階段から転がり落ちさせて 二人の心を入れ替えて 『あれ? 俺がお前でお前が俺で?!』的なことをしたかったのに 結果 殺傷事故な」


あの時 後ろから押された感触がしたのは お前の仕業かよ


「いいじゃないか 彼女は助かったんだから。 君が桜の木に願掛けたとおり 彼女の中じゃあ 君はもう忘れられない存在になってるだろうよ なんだい そんなに睨むことないじゃあないか おんなじ神様同士 仲良くしようよ」


神様同士?


「知らなかったのかい? さっきの理論通りで云えば 石段から転げ落ちるという『不慮の事故』で死んだ君は もう此処の石段で誰も転げ落ちて怪我したり死んだりしないように護る為の 石段の神様になったんだよ」
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