おれがおまえでおまえがおれで 的。

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2006-02-19

僕は 蔵ぼっこ とか 座敷童子 のようなものです。 のようなものだと思います。

でも 座敷とか蔵に いつも居るわけではないので 座敷童子とか 蔵ぼっこではないと思います。

時々 小学校の校庭とか神社の境内とかで遊んでいる子供たちの中 何食わぬ顔して混じり 『あれ?一人多くね?』 『でも みんな知っている顔だし 誰が多いのかわからないよ』 的な悪戯をする程度なのです。

べつに ものを食べたくなったりとか眠たくなったりとか そんなことはないので 食べ物や寝床の心配もありません。 寒いとか暑いとかも感じないので 一年中 薄っぺらい着物でも大丈夫です。

こんな僕でも 化け物じみた僕でも もともとは人間で 普通の子供だったのですよ。

もう 十年以上経ったような気もしますが 僕は 普通の小学生だったのです。

んじゃあ なんで只の子供だった僕が こんな座敷童子みたいなモノになってしまったかといいますとですよ。

あれは 秋の初め頃 九月の水曜日。

僕は おんなじクラスの友達5人と 町の外れの神社の境内で 鬼ごっこだの缶蹴りだのをして遊んでいたのであります。

夢中で遊んでいるうちに いつしか日も暮れかけて黄昏れて 夕焼け色に一面染まり お互いの顔も識別しづらい逢魔ヶ時で。

『そろそろ 帰ろうよ』 なんて誰かが云って 僕ら 神社へと続く長い石段を並んで下ります。

狭い石段なので 二人ずつ並んで ゆっくり下りていますとですよ。 一番後ろにいたヤマガタくんが云いました。

『あれ? おかしくないか』

おかしくないかって なにが?

『俺ら 5人しかいないよなあ』

うん そりゃそうだけれど

『俺のとなりにカネダくんがいて 前に 2人ずついるってことは なんだ?』

えっと そういわれると 2人ずつであまりが出ないってのは 算数的におかしい。

僕 後ろを振り返り 暗がりの中 目を凝らして見ますれば。

えー ヤマガタくん カネダくん テツオくん カイくん で僕以外の4人 僕をいれて 5人。

んじゃあ 僕の隣にいるのは 誰だ?

僕の後ろにいる4人も その事に気付いたらしく 僕の隣の 誰か ゆっくり 視線を 注いで

「「「うわあああああああああああ」」」

誰が上げたか知れない悲鳴につられるように 僕ら全員 悲鳴を上げて 石段 一纏まりに駆け足だって あ あぶない そんな そんなに押すなってば あ 危ッ!

すってんころりん もんどりうって 絡まり巻き込み転げ落ちて 僕と誰かは石段下で意識朦朧 そんな僕らをほっといて カネダくんテツオくんカイくんヤマガタくん 蜘蛛の子散らすように駆けて居なくなり。

アイタタたた… うわ ひどい あいつら 僕をおいて逃げやがった 友達甲斐のない奴らだよ 本当に

仰向けの状態から 起き上がろうと 手を伸ばしたら ぐんにょり いやな軟らかさのモノ うわ なんだか分からない誰かだよ 気持ち悪い!

僕 倒れてグッタリしているソレを放っぽいて 足早に立ち去り家路につきます。

イテテテ 身体中のそこかしこを擦り剥いて打ち身だらけのボロボロで こりゃあお母さんに怒られてしまうよ。

あんまり お母さんには会いたくないなあ なんて思いつつ玄関開けますよ ああ なんてことです ちょうど 台所から母が出てきたところで あ えっと ただいま

「…?」

あの お母さん ただいま

「………?」

ごめんなさい 神社のとこの石段でこけて 服 ボロボロになっちゃった。

「…… おかしいわねえ 玄関 開いてたみたい 閉め忘れてたっけ?」

え お母さん なんです?

「無用心にもほどがあるわよ」

なんて お母さん 僕の脇をすり抜けて 玄関 ドアを閉めます。

「それにしても あの子 帰ってくるのが遅いねえ もう夕ご飯の時間なのに」

お母さん もう 帰ってきてますけれど お母さん?

ジリリリリリッ ジリリリリリッ ジリリリリリッ

「あら 電話」

と 母さん 玄関脇の黒電話の受話器を取り 「はい もしもし」って応答すると 「へあ? あ …あの! 本当ですか?!」だなんて急に血相変えて。

受話器 手から取り落としてぶら下り 母さん そんなことお構いなしに顔面蒼白 しばし呆然。 えっと お母さん 大丈夫ですか なにがあったんですか?

僕の問いかけにはまるで答えず 母さん あたふたと 取るもの取り合えず 玄関 サンダル突っかけて 疾風のように飛び出ていきました。

母さんの色めき立った顔つきは 尋常じゃないほどに只事じゃなく 僕も母さんの後を追い駆け出して。

駆けて駆けて駆けて やあ やっと追いついた此処は なんだ さっき 僕が転げ落ちた神社の石段 けれどもさっきと違うのは やたらと人だかり。 

母さん ぜいぜい息を切らしていたけれど 石段下に横たわる 僕と一緒に転げ落ちた 何処かの誰か(今 その誰かの上には布がかぶせられています)の脇に跪き ぴらりと布をめくると ヒュッ と一息吸い込んで。

ただただ その誰かを ゆさゆさ 揺すりつづけるのでありました。

母さん いったい どうしたっていうのさ その 何処の誰か知らないヤツのことなんて どうでもいいだろうに。

僕 母さんがユサユサ動かしている誰かの顔 のぞきこんで見るとですよ

身体はうつ伏せになっているのに 顔は ぐるりと仰向け ああ 首が回っちゃいけないところまで回っている

石段下の 水銀灯 照らされて白く 死色く 屍色い顔は 僕の顔に そっくりで。

母さん ぶつぶつ 僕の名前を小声で繰り返しながら 僕そっくりの顔の誰かを 揺すり続けて そうこうしているうちに やってきた救急車に 僕みたいな誰かと母さんは乗せられていって。

集まっていた人だかりの面々は 誰も僕に構ってくれなくて 僕のことなんて まるでいないふうにされてしまって。

あれから何度となく お母さんやお父さんや近所の人に話しかけたけれど 大人の誰もが 僕のことを見えないふうに扱って 聞こえないふうに扱われて。


そうこうしているうちに 僕の家で 『僕』の葬式が執り行われ 僕はこの世にいないことになった。
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Comment

: 2006-02-19(Sun) 19:49 URL edit
きっと彼の名はジョオオカくんだったのでしょう
: 2006-02-23(Thu) 12:57 URL edit
やっぱりきづくひといるね。
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