日常モンスターハンター。

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2010-08-15

僕 サナトリウムで療養中であるところの親戚の娘さん ミドリさんをばお見舞いに お土産もって出掛けまして。 やあ ミドリさん お加減どうですか

「あら ご無沙汰じゃないですか この情け知らずがどんなツラ下げて お見舞いですって?」

ああ すいません このところ 心のゼンマイが切れちゃって 心のガソリンが尽きちゃって 何ともならなかったのですが このところ漸く マシになってきたので。 だらか一番最初に ミドリさんにお会いしようと。 ほら お土産も持ってきましたよ 汁気たっぷりの メロンと。 あと ナスとキュウリ

「なんですか その太くて長いナスとキュウリで 私にどんな淫靡なことをするつもりですか?! この変態! 人畜! ヒューマンビースト!」

や 何もしませんよ これはアレです 時節柄 使いますでしょう? 風物詩でしょう?

「や 皆まで云わなくてもわかります その緑色のキュウリと紫色のナスをガイアメモリに見立てて 仮面ライダーダブルごっこをするつもりでしょう? 近所の小さな男の子に仮面ライダーごっこをしようと持ちかけて 男の子にキュウリおよびナス もしくは肉を捩じ込むつもりですか… アナタらしい」

いや しませんよ なんですか 肉を捩じ込む って 何の肉ですか

「もしくは 己がヤオイ穴に ナスとキュウリを両方捩じ込んで 拡張するんですよね サイクロン!ジョーカー!」

しねえよ

「私の知る佐々木(仮名)さんは その時に恍惚混じりの絶叫で『エクストリィィィィィッム!』と絶頂に達するタイプの筈ですが」

どんなタイプですか。 まあ アレです お盆ですよ キュウリとナスで 馬と牛を作りましょう

「そして アナタとワタシで子供を作りましょう なんて云うつもりですか 最っ低 ですね佐々木(仮名)さんは」

云いません。 話が進まねえですよ

「まあいいです。 横道にソレまくるのはいつもの事。 お盆ですね。 ボーン!!」

なんですか ボーン って

「お盆の時期の挨拶 らしいですよ?」

初耳ですが

「ソレはともかく。最近暑いですね 暑さが続いてイヤになりますね。 こんな時は ゾッとするに限ります ああ 誰か ゾッとするような怖い話をしてくれないものかしら ねえ 佐々木(仮名)さん?」

え あ 怖い話です か。 怖い話は 最近 あんまり

「佐々木(仮名)さん 怖い話は お得意?」

得意といわれるほど 得意ではないです 期待されるほどのものは話せません でも ミドリさんが話せというのなら ない頭を使って 回らない口を回して 頑張ってお話してもよいですが そんな期待しないでくださいよ

「ふん せいぜい頑張ればいいじゃないですか 努力すればいいじゃないですか 私は それなりに期待してますよ 佐々木(仮名)さんの怖い話。 例えるならば 香取慎吾氏主演の映画やドラマと同じくらいに期待しています」

なんか期待されてるのかされてないのか微妙な例え ですけれども。 えっと じゃあ 僕が以前勤めていたホテルであったことの話をしましょうか。


僕は ホテルのフロント係を割と長くやってたんですが ホテルってのは 偶に妙なお客様がいらっしゃるんですよ 酔っ払いとかそういうのはまだ可愛いうち。 クレームをつけてくるお客様も その理由を聞けば 此方の不手際が原因ってもっともな事 平身低頭のお詫びと出来る限りの事さえすれば 大抵の場合は許してもらえます。 けれども 一番困るのは 理解が出来ないお客 なんですよ。

そういうお客ってのは 大抵予約もせずにやってきます。 もしくは来る直前に『今日部屋空いてますか?』って電話をしてきます。 もっとも 当日予約やウォークインのお客様の大多数はマトモなのだが その中に 変なのが偶に 居るんですよ。 僕が今から話す人も そうでした

その人がフロントに来たのは 夜中の24時間近 コンピューターの日時処理の準備でもしようか と思ってたときですね。 中年の女性とお婆さんの二人組み 親子みたいな感じ。
『今日 お部屋は空いてますか?』 って訊いてきました。 まあ ちょうど暇な時期で空室もあったし 売り上げも少しでも欲しいことだし 女性の一人客とかだったら怪しいとも思うかもしれないが 親子連れのようで 身だしなみもおかしい所はない。 宿泊料前金となりますがそれでもよろしければ ってことで 洋ツインルームにお通しした訳です。
んで その後 当日業務が全部終了しコンピューターの日時処理も終わって次の日の準備も終わり んじゃあ交代で仮眠でも取ろうか と 同僚と話をしていたらばですよ 客室からの内線電話 内線番号を見ると さっきウォークインで入れたお客の部屋からで 凄い剣幕で怒ってる口調な訳ですよ。

『ベッドで寝ていたら 針が刺さった! すぐ来て頂戴!』ってな感じで。 うわあ 客室清掃とかベッドメイクの時に何かの拍子で針でも混ざったか なんて事を想定して すぐ客室に伺ったのです こりゃあ お詫びじゃすまないかもしれないなあ 宿泊料無料にしなきゃいけないかもしれない なんて事を思いつつ。

んで 客室について すぐさま謝りましたよ 『お客様 大変申し訳ございませんでした お怪我はございませんでしたでしょうか』てな感じで。 興奮気味の娘の方の人を宥めつつ話を聞いてると なんか変です。
 ベッドで寝てたら 下の人に針で突付かれて眠れない! って云うんです。 下の人? 誰だよ。

『ちょっと失礼しますね』とベッドの下を覗かせてもらったが 誰もいるわけがない。 僕が微妙な顔をしてると 『針が下から!下から!わかるでしょ! こんな部屋じゃ眠れないから すぐ部屋を替えて頂戴!』って錯乱状態にも程があって ああ 頭がちょっとアレな方なのかなあ って合点して こういう場合はなるべく係わり合いにならないほうがいいですから 下手なことは云わずに新しい部屋を準備して そちらにお通ししました。 勿論 あとでベッドを確認しても 針なんて何処にもなかったから 刺さりようがないのだけれども。

別の部屋に通して しばらく何の音沙汰もないから 今度はおとなしく寝てくれたか と安心したのもつかの間 今度はその二人 直接フロントにやってきて 手にしたペットボトルを振り回し 金切り声を上げ始めやがりました。
『警察を呼んで頂戴! 飲み物に毒を入れられたの!』 って。 毒って。 話を聞けば 部屋を移るとき 自動販売機でペットボトルのお茶を買って一口飲み 部屋の机の上に置いておいた。 寝る前にもう一度温泉に入っておこうと 最上階の大浴場に二人して行った。 風呂から上がって部屋に戻り 喉が渇いたからペットボトルのお茶を飲んだ 味が違う! 誰かが毒を入れたに違いない! という流れ。
 うわあ 本格的に 頭がアレだ どういう対応をすればいいのだろうか ようし まずは理詰めで納得させてみよう と。

『部屋の鍵はオートロックになっておりますので お客様がお持ちになった鍵以外では開きません お客様 ご入浴の最中は 鍵はどちらへ? 貴重品ロッカーの中に 鍵を掛けてお入れに。 でしたらば お部屋のドアは鍵がかかっていますので 他の何者かがお客様の部屋に侵入する ということは まずないかと。 なんですって フロントにはマスターキーがある と。 ええ 確かにございます ソレはこちらで管理しております ええ? ソレを使って部屋に侵入した ですって? いやいや そんなことはございません マスターキーは盗まれないように十分な管理をされておりますし もし盗まれたとしても ちょっとお待ちください ええっと ええ こちらにマスターキーは確かに保管されております 盗まれておりません ですので このマスターキーを誰かが盗んでお客様のお部屋に侵入したということは まずありえ え? ちょっとお待ちください このフロントの者 つまり私が マスターキーを使って お客様の部屋に侵入して お茶に毒を入れた ですって 冗談ではございません』

それからは大変ですよ その二人は 僕のことを完全に犯人扱い 僕が何を云おうと聞きやしません。 目は血走り 手にしたペットボトルをグルグル振り回し 完全に錯乱してアレです
「このお茶に毒を入れて私を殺すつもりなの? あなた何なの? ずっとずっと私たちをつけまわして! 知ってるんだから! あんたが今まで私たちに嫌がらせを何度も何度も何度も何度もしてきたことを! 許さない 許さないよ!」
話してるコッチの方がおかしくなりそうで もう 二進も三進もいきません。 ああ そうだ もしよろしければ そのペットボトルのお茶を私に飲まさせてくれませんか もし毒入りのお茶なら 私が飲めるわけがないでしょう? って云っても 「自分は解毒剤飲んでるから 毒なんて効かないじゃないの?! その位判るでしょ?!」 解毒剤なんて飲んでねえよ。

そうこうしている内に 二人の片割れが 今にも警察に電話しようってな感じになって そこで警察にあることないこと云われるよりは 此方から事情を話して警察に来てもらおう って事で 呼びました もちろん電話口で それまでの詳細をばお話してですよ。

その後警察の人が二人来て ロビーで二人連れと事情聴取です かれこれ一時間もお話していたでしょうか 二人連れは一旦部屋に戻り 着替えて荷物を持って戻ってきて。 フロントに鍵を叩きつけ。「二度と来るもんですか! この悪魔!」 なんて捨て台詞を吐いて出て行きました。

警察の人が云うことには あの二人はこの近隣のホテル数軒でも同じようなことをしでかして警察を呼んでいるという いわゆる厄介な人で 自分の家はあるけれどもほとんど帰らず 自家用車で車中泊などしてこの近辺をウロウロしているという方々だそうです。 「また来て同じようなことを起こすかもしれませんが そのときはまたご連絡を」 と 警察の人は疲れた顔でいいましたよ。


「で?」

え それだけですが

「これだけ? 私が期待してたのと違います。 もっと 心霊的な うまく出来た話を聞きたいんですよ ソレをなんですか ウダウダ長ったらしい どうでもいい オカシナ人の話じゃないですか」

だから そんなに期待しないでって云ったじゃないですか

「ああ 佐々木(仮名)さんには がっかりです。 香取慎吾氏主演の映画かドラマよりもがっかりです」

いや ソレはガッカリする以前に最初から期待しちゃいけないものでしょう?

「まあ その通りですけれども。 それにしても こんなヤマもオチもないお話を聞かされて 私は佐々木(仮名)さんに どんな仕打ちをしたらいいんです?」
 
仕打ちって。 あー そんな大したオチでもないですが 後日談があります

「後日談?」

ええ。 あの厄介な母娘ですが 自分達の家に帰らず 自動車に乗ってウロウロ彷徨ってる と警察の人は云っていました。 んで 何者かから 何度も何度も何度も嫌がらせを受けている と本人達が云っていました。 つまり あの母娘は 自分達に危害を与える何者かから 逃げていた ってことですよねえ

「そんなの その二人の被害妄想の誇大妄想じゃないんですか」

ええ 僕も そう思います。 けれども。 あの二人がフロントに鍵を叩きつけて逃げるように出て行った後。 一応部屋の中の確認に向かったんですよ 何か壊されたりしてないか とかの確認です

「何か 壊されてたんですか?」

壊されたものも 無くなったものもありませんでした。 けれども 部屋のドア 入り口の外 床のカーペット。 ドアにぴったり張り付くような位置で ベットリと 黒い靴跡。 コールタールみたいな粘つくようなモノでできた 大きさ30cmはあろうかという 大きな靴跡が残されていました
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Comment

名状しがたきもの : 2010-08-16(Mon) 08:37 URL edit
更新待ってました。おもしろかったです。
名状しがたきもの : 2010-08-16(Mon) 23:47 URL edit
やっぱり佐々木サンが一番好きです。更新とっても嬉しいです。
名状しがたきもの : 2010-08-18(Wed) 15:22 URL edit
ミドリさんだミドリさんだ。
名状しがたきもの : 2010-08-18(Wed) 16:40 URL edit
更新ありがとうございます。
今回も面白いです。
      : 2010-08-25(Wed) 18:03 URL edit
まってました
名状しがたきもの : 2010-09-17(Fri) 01:49 URL edit
深夜の馬鹿力好きなんですか?
名状しがたきもの : 2010-10-07(Thu) 00:29 URL edit
10月になりましたし、そろそろ新作を読みたいのです。
名状しがたきもの : 2010-11-02(Tue) 00:06 URL edit
ボーン!
名状しがたきもの : 2010-11-27(Sat) 08:21 URL edit
やっぱり佐々木さんが好きです。そろそろ佐々木さんの年賀状が楽しみにです。
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