夜が奇妙な衣装を着た。

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2009-06-18

 小さい頃のことを思い出します。
 
 ふた昔以上も前のことです 未だ半ズボンのよく似合う半熟天使だった頃の僕のことです。
 
 その頃は友達もいて 毎日毎日楽しく遊び暮らしていたものですが 不満があるとすれば お小遣いの少なさ。 友達が駄菓子屋で豪勢な(それでも総額百円もしませんでしたが)買い物を楽しんでいるのを横目に 十円で一つだけ買った爪楊枝の先に付いたキナコ餅状の何かをゆっくり食べて 食べ終わったあとの爪楊枝をグニグニ噛み締め いいなあ いいなあ と うらやむのでありました。
 
 せめて 一日百円 いや 五十円でもいいです 僕にお小遣いを! ほかのみんなもソレくらい貰ってるんだから! という決死の交渉も 母の『他所は他所!ウチはウチ!』の一言でピシャリ。

 ああ ああ やりきれない 一日百円ぽっちのお小遣いも貰えない オラこんな家いやだ 飼い猫をリュックに詰めて 当所のない旅に出るだ。

 家を出たはいいモノの行く当てもなく 近所をウロウロさ迷い歩き ああ 結局はココに来ることになってしまうのだ 僕がよく独りで遊ぶときの穴場 僕の秘密基地的存在 寂れて朽ちゆく廃神社 神様のいない空っぽ神社 理由は知らないけれども周囲をフェンスで覆われて立ち入り禁止の禁足地。 偶々 フェンスが破れて穴が開き ちょっと広げてやると僕が通れるくらいの出入り口になることを発見して以来の 僕だけの場所。

 ここでしばらく時間を潰そう お母さんなんて 暗くなっても帰って来ない僕のことを心配してしまえばいいのだ 僕の懇願をないがしろにした報いを思い知らせてやるのだ 心配に心配を重ねて警察に捜索願を出す寸前の頃合を見計らって帰ってやるのだ そしたら 安心のあまり 僕にお小遣いの100円や200円くらい 喜んで呉れることでしょう。 (この頃の僕というのは当時の我が家の深刻な経済状況を理解できていなかったのでこのような安易な発想が出来たのでしょう。この時から半年ほどして両親は離婚して一家は離散しましたがソレはまた別のお話)

 いつの間にか日も暮れはじめ お堂に射す日も赤暗く かといって照らす灯りも持ってません。 それにしてもお腹が空いたなあ この場所にお菓子を隠しておいたのがいつの間にかグシャグシャに踏み潰されてて食べれないし 新しく何かを買って食べるにはお金がないし このまま家に帰るのも癪に障るし 猫はニャーニャーうるさいし お堂の外を誰かがグルグルグルグルグルグル歩き回っているし。 どれもこれも お母さんが僕にお小遣いを呉れない所為なのです。 せめて 一日百円 いいえ 五十円でもいいのです 五十円もあれば かなりの大金持ち生活ができます ああ 誰か僕に毎日五十円のお小遣いをくれないものでしょうか そしたら 僕 ■■■■をしてあげてもいいです 今は無理かもしれないけれども 僕が大きくなったら 必ず ■■■■■ることもやぶさかではありません ■■て■■■して■らしてでも 必ず■■ることを約束しますから だから 誰か ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


 はて。 僕は あの時 何をしてもいい と思っていたのでしょう なんか 大事なところが黒く塗り潰されてて 思い出せません。 以降の記憶が ふとりと途切れていて思い出せません 断絶しているのです。 あの時 一体 何が。 思い出さなくてはいけないような 思い出してはいけないような。

 なんで 小さいときの こんなことを思い出しているのかといいますと 僕 小さい頃 毎日 五十円玉を握り締めて 駄菓子屋で買い物をしていたなあ という 思い出がありまして。 でも よくよく考えてみると 当時の僕の家庭ってのは深刻な経済状況にあり 僕に毎日お小遣いを呉れる余力なんて無かったよなあ という結論に至り。 それなのに 毎日駄菓子屋で買い物できたのは何でだろう そもそも あの五十円玉は お母さんから貰っていたものじゃなかったよなあ。 じゃあ 誰から。 神様から。 神様から? うん 神様から 毎日50円貰っていました あの日のことをキッカケに 毎日。 僕の 思い出せないけれども 大事な大切な掛け替えのない取り返しのつかない何かを約束手形にして 僕が神様と思っていた何かから 貰っていた 様な気がします。 あの 立ち入り禁止の廃神社で。 

 たしか 僕が毎日50円玉を握り締めて駄菓子屋で豪遊する習慣は 両親の離婚をキッカケに僕が母方の実家のほうへ引き取られて引越しするまで続いたはずです。 僕 また縁あって 昔に住んでいた家に また住むことになり。 こんなことを不意に思い出したのは アレから20年以上も経った夜のこと ちょいと昔を懐かしみながらの 夜の散歩と自称した深夜徘徊の最中のことなのです。 

 そういえば あの 秘密基地のあった場所はどうなったのでしょう もう こんなに時間が経っているのですから 再開発の波にさらわれて何の変哲もない住宅地などになっているんでしょう などと思いつつ なんとなく足を向けた あの秘密基地のあった場所。

 うわ まだ あった。 記憶と寸分違わない 記憶よりも経年劣化で錆びれた分 より凄みが増したフエンスの壁 あの当時から一切手付かずのまま放置されたままの廃神社。

 あの 秘密の抜け穴があったところもそのままで アノ頃に比べて大部大きくなった身体を無理やり抜け穴にねじ込んで通り抜け お堂のあった場所へ。

 ああ さすがに 二十年も手が入ってないと 倒壊するよなあ 月明かりに照らされているのは かつてお堂だった残骸です。

 あのとき 僕が毎日貰っていた五十円というのは もしかしたら ここの賽銭箱から拝借していたものじゃなかったのか との推測をしていましたが よくよく思い出してみると あの当時から賽銭箱なんてものは無かった。 今 この場所に立って はっきり思い出しました。 じゃあ どこから あの五十円玉を貰っていたのだろう あれは あの場所で 何かをして。

 あの当時の自分のなりきって 足の向くまま ゆらりゆらり。 ああ ここの場所 注連縄を巻いていた木です 今は注連縄なんて巻いていないけれど 今みてみると 月の明かりでも解るほどの 何かを突き刺した後が残る さらには現在進行形で傷つけられた真新しい痕もあり ああ なんて呪わしい 神様不在のご神木。

 たしか この木の下で 手を叩き (パン パン) ゆすゆすと木を揺らす素振りをすると (ゆさゆさ) 五十円玉が 上から降ってきた という 記憶があります いや まさか そんな筈はないですよ そんな 非現実的な。 きっとコレは 僕の記憶違いですよ きっと記憶のすり替えです きっと 小さな頃の僕が毎日受けていた 近所に住んでいたかもしれないイタズラ和尚の性具的扱いに対する口止め料として毎日五十円玉をそっと手のひらに握らされていたことを思い出したくがないために捏造した記憶 というのがオチでしょうよ いや そんな真の記憶があったらもっと厭ですけれども 厭ですけれども。

 などと 愚にも付かないことを考えていると 上から 僕の頭に落ちてきたものがコツンと当たって地面に落ちて。 うわ なんか 落ちてきた。 ドングリかな?

 ドングリじゃないよ 月明かりに照らされて 白々と光って見えるのは 五十円玉ですよ。

 摘んで持ち上げてみると 変な手触り ソレもその筈 五十円玉の穴を通して 長い黒髪 何十本かの束で結ばれていて 僕の指に絡まっていて。

 ああ やっぱり 夢だの記憶の捏造だのじゃなく アレは本当のことで まだ 有効なのだなあ
    
 神様は 僕が神様だと思っていた何かは 僕と交わした 僕がもう忘れてしまった約束のことを まだ 忘れていないようです。

 
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Comment

名状しがたきもの : 2009-06-18(Thu) 23:19 URL edit
ケムマキ
思い出します
名状しがたきもの : 2009-06-19(Fri) 18:56 URL edit
ぞくぞくぅ
名状しがたきもの : 2009-06-19(Fri) 20:48 URL edit
だいすき
名状しがたきもの : 2009-06-20(Sat) 00:30 URL edit
やっぱりいいなあ
名状しがたきもの : 2009-06-20(Sat) 01:30 URL edit
なんて一途
名状しがたきもの : 2009-06-20(Sat) 13:36 URL edit
待ってました
名状しがたきもの : 2009-06-22(Mon) 21:45 URL edit
源氏物語なんてすてきじゃないですか。
名状しがたきもの : 2009-06-23(Tue) 01:25 URL edit
素敵です。
名状しがたきもの : 2010-01-23(Sat) 20:11 URL edit
「骨の駅」……
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