殺人狂ルーレット

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2006-01-27

彼女が散歩から帰ってきて 僕に「ぎゅー」なんて云いながら抱きついてきて。

そしたら 彼女の黒髪から漂うは 紫色の 濃密な死の薫りで。

ねえ 今日は どこまで散歩をしてきたの?

「こうえんー。 さむかったよ」

ああ 公園ね 寒かったろうに こんなに震えて 手が冷たい。

僕 彼女をお風呂に入れたげて 湯上り ふかふかのバスタオルで華奢な彼女の身体を拭いたげて 彼女の長くて黒い髪 丁寧に丁寧に櫛で梳いてあげると彼女は「ふふーん」なんて 鼻歌交じりの上機嫌です。

僕が夕飯に作っておいたシチューもペロリと平らげ 今日はもう満足した様子 ウツラウツラと舟を漕ぎ出したところで 僕 彼女を抱えてベッドに運び 上から毛布をかけて お休みのキスなんかも頬にされちゃったりして こりゃ まいった。

彼女がすーすー寝息を立てはじめるのを確認後 彼女を起こさないように そっと玄関 ドアを静かに閉め 夜道を進み 公園へ。

キョロリと見渡す園内 探した違和感 ああ あそこのベンチだ。


ベンチに腰掛けていたのは 人の良さそうな老紳士 親切そうな老婦人。 上品な服装でステッキなんか持っていて 見るかぎり 仲の良くて幸せそうな 年を取ったらこんな夫婦になりたいね って感じの。

二人とも目を閉じて 仲良く昼寝をしてるふうに見えるけれども 今は日も暮れ真っ暗く 昼寝するには寒すぎる。

そっと 二人の肌に手を触れると ああ 冷たい 温かくない 生きていない 死んでいる。

いつもながら 彼女の手際は鮮やかだなあ 一見 死んでいるとは思えないような殺し方をする。

もしかしたら 死んでる本人たちも 殺された瞬間まで死ぬとは思ってなかったろうし もしかしたら 今も死んでるとは思ってないかもしれないよ。

さて。 と 僕 公園をぐるりと見渡して 死角をさがします。

どんな場所にもひとつくらい うっかり見落としてしまう箇所ってのが存在するわけでして そこを見つけて隠してあげると しばらくの間は大丈夫。 涼しくて風通しの良いところだと臭いも篭らずモアベターです。

やあ とりあえず あそこに二人を隠そうよ 灌木の茂みに覆われた地面 無造作に二人を転がして。

こんなんでも 案外見つからないものなのですよ 実際。

おお 寒い寒い 取り合えず 部屋に戻ったら熱いシャワーでも浴びよう そのあとは冷たいビールでも なんて独り語ちつつ夜道を逆戻り 音を立てないように玄関 ドアを開けましたらば。

ドスン

すごい勢いで 僕の胸にぶつかってくる塊に すわ 猫ボールか とあわてて玄関の灯り スイッチを入れると

僕の胸にしがみついて涙目なのは 寝ているはずの彼女です

ああ 起きたら僕がいなかったから 心配したのでしょう。 「うー」なんて顔をグシャグシャにしながら 僕から離れようとしません。

大丈夫ですよ 今日はもう どこにも行きません さあ もう一回眠れるように 牛乳を温かくして飲みましょう ご本も読んであげますよ。

彼女 こくんと肯いて ようやく僕の胸にしがみつくのを止めたけれども 僕の指先 痛いくらいに握って たぶんこれは寝付くまで離してくれないのだろうなあ。

本当に 彼女は可愛くて 僕に娘がいたのなら こんな感じなのかなあ などと思うのだけれども。


けれども こんな彼女が 殺人狂に目覚めたあの日 僕の家族を 一族郎党を 皆殺しにして根絶やした。

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: 2006-12-22(Fri) 00:07 edit
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