2008-01-09
僕が学生だった頃のこと。
僕と僕のクラスメートの彼女は翌日に控えた文化祭の準備で遅くなり 夜 学校からの帰り道 二人で歩いています。 街灯もない街並みから外れた夜道でありますから当然真っ暗で 少しの先も見えません。
「真っ暗で ちょっと 怖いね」
彼女が僕の側にツッと寄ってきて 冷たい指が僕の手の中に滑り込んできて 思わず握りしめると キュッと握り返します。
しばらく無言で歩きます。彼女は歩くのが僕より遅いのであわせてユックリ歩きます。
「ヒャッ」
彼女が急に声を出しました。どうかしましたか。
「足に なんか触った 猫みたいなのが」
猫じゃないんですか。
「だって 何もいないのに ヒャッ! また触った!」
たぶん 気のせいだと思います。草か何かが足に触れたんですよ。
「でも 草なんかじゃないよ ぜったい 動物」
ではきっと スネコスリって名前の妖怪ですよ。岡山の方にいる妖怪で 雨の降る夜道を急いでいるときに足下に絡み付くのです。
「ここは岡山じゃないし 今日は雨も降ってないのに 変よ」
だから スネコスリなんて最初からいないんです。気のせいですよ。
「でも また触った あ チョット待って」
彼女がしゃがんで 持ち上げた 夜に光る 緑色の目。
「ほら 黒猫。 色が黒いから 見えなかった」
彼女 両手で猫を抱き締め ウフフと笑いました。
はて じゃあ僕が今 握っている手が 彼女の手じゃあ ないとしたら この手は一体 誰の手なのでしょう。
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Comment
まさかまたここで読めるとは泣