ゆびきり。

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2007-11-24

 今日のように冷え込んで 小雪のちらつく様な日には なんとなく思い出すことがあります。

 僕がまだ小学校にも入っていない頃のことですから もう ふた昔も前のことです その頃僕が遊び場にしていた 児童公園でのことです。

 そこで 僕は こんな小雪のちらつく日に そこで一緒に遊んでいた女の子と 結婚の約束をしたのでありました。 

「あと (チャキッチャキッ)○○回 初雪がふ(チャキッチャキッ)ったら そのときは(チャキッチャキッ) 結婚をしよう(チャキッチャキッ)よ ねえ 約束だよ(チャキッチャキッ)」

 と 小指を差し出して 指切りを迫る彼女のことを おぼろげながら 思い出します。

 もう 昔のことで 記憶も曖昧なものだから あと 何回初雪が降ったら だったかを 憶えちゃいないのですが けれども それでも こんな僕と結婚の約束を交わしてくれた彼女のことは 忘れないようにしたいのですよ。

 ああ それでも もう 曖昧です 彼女の名前が 思い出せません。
 
 なんて名前だったのかなあ まるで 彼女の名前を最初ッから知らなかったかのように 記憶に残っていないのです。

 彼女の容姿や様子のことも この調子じゃあ 忘れてしまうかもしれません いいえ いけません 僕の 大事な思い出です もう一回 きちんと思い出して 記憶し直さなければならないのです。

 ええっと まずは 彼女の容姿から。

肌の色が白くって 肩までの長さの真っ黒髪がツヤツヤで ニッカリ笑うと口端がキューと吊りあがるのが素敵。 黄色いワンピースがよく似合ってて 僕と指切りした日にも ヒラヒラのワンピースがまるで蝶々のようだったことを 思い出します。

 他に 憶えていることは。 ああ いつも 猫を連れていました 飼い猫だったのでしょうか いつも 片手にぶら下げて 赤い首輪を付けた 白い猫 いいえ 虎猫だった気もします いいえ 黒猫だった憶えも。 なんか その都度 違う毛並みの猫を 片手にぶら下げていたような気がします ぶら下げて? どうやってぶら下げていたっけ 首につけたロープで ブランブラン吊るして ぶら下げていた いいえ そんなことは ないと思います ほら あの猫は ピクリとも動かなかったから きっと猫のヌイグルミにロープをつけて 吊るして持ち歩いてたのですよ きっと。

 え ええっと 他に憶えていることは。 ああ 彼女とは いつも ジャングルジムで 遊んでいました。 彼女と指切りをしたのも ジャングルジムの 鉄の枠組みの中でした。 彼女は ジャングルジムが とてもお気に入りで 他の遊具で遊ぼうって誘っても ジャングルジムの中から出てこなくって。 そういやあ 彼女は 僕が児童公園に遊びにいくと既にジャングルジムの中に居て 僕が家に帰るときも ジャングルジムの中から出てきません 僕が 夕方過ぎ 母親の買い物に付き合った帰り その児童公園の前を通りかかったとき もう 暗いのに 彼女 ジャングルジムの中でボンヤリ立ち尽くしているのを 見た憶えがあります。 彼女 家に帰らないのか 帰れないのか 帰る必要がないのか いいえ そんなこと 思い出してもしょうがありません。

 大切なのは こんな僕と 結婚の約束をしてくれた彼女との思い出を反芻することなのです。

『あと (チャキッチャキッ)○○回 初雪がふ(チャキッチャキッ)ったら そのときは(チャキッチャキッ) 結婚をしよう(チャキッチャキッ)よ ねえ 約束だよ(チャキッチャキッ)』
『あと (チャキッチャキッ)○○回 初雪がふ(チャキッチャキッ)ったら そのときは(チャキッチャキッ) 結婚をしよう(チャキッチャキッ)よ ねえ 約束だよ(チャキッチャキッ)』
『あと (チャキッチャキッ)○○回 初雪がふ(チャキッチャキッ)ったら そのときは(チャキッチャキッ) 結婚をしよう(チャキッチャキッ)よ ねえ 約束だよ(チャキッチャキッ)』
『あと (チャキッチャキッ)○○回 初雪がふ(チャキッチャキッ)ったら そのときは(チャキッチャキッ) 結婚をしよう(チャキッチャキッ)よ ねえ 約束だよ(チャキッチャキッ)』
 
 はて。 彼女の言葉の途中途中でチャキチャキいってる音は なんでしょう。 チャキチャキいってるのは 何の音なのでしょう 思い出せるかな 思い出そうかな 思い出したいのかな 思い出したくないのかな この音が なんだったのか 思い出す 思い出す 思い出す。

 ああ 思い出した この音は 彼女が 糸切りバサミをせわしなく チャッチキチャッチキと咬み合わせる音です 僕に差し出した小指の反対側の手に握られた 血錆びたような糸切りバサミを 脅かすように 指切りを迫るかのように 約束を破ったら どうなるのかを暗に示してるかのように 咬み合わせている音なのです。 
 
 うわあ なんか 厭な感じで思い出してしまいましたよ せっかくの綺麗な思い出が 台無しです。 
    
 なんだか 思い出の中の彼女が この世のものでない とても厭なモノのような気がしてきましたよ だいたい 今にしてよく考えてみれば こんな雪の降るような寒い日に あんな薄手のヒラヒラしたワンピース姿ってのも 変です。

 そんな彼女と 交わした約束 交わしてしまった指切りが とてもイトワシイものに思えてきて 今も 僕の小指に 彼女の小指が絡んだ感触が甦ってきて とてもゾワゾワします。

 ああ ああ 厭だ厭だ あんな約束 しなけりゃよかった。 あんな指切りしなけりゃよかった。

 まあ 後悔しても しかたがないです それに もうだいぶ昔のこと 先方も約束のことなんて 憶えちゃいないでしょう こんな約束 守る必要も ないですし 守りたくも ない。

 さあ もうこんな事は忘れて 二度と思い出さないようにしましょう ああ 厭だ厭だ。

 と 僕 まだ小指に彼女との指切りの感触が残っているような気がして ぶるんぶるん手首を振るとですよ。

 ふつり と 僕の小指が 根元から 腐れて 落ちた。
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Comment

名状しがたきもの : 2007-11-24(Sat) 16:12 URL edit
かわいそうにその女の子ふられちゃったのね
: 2007-11-25(Sun) 18:25 URL edit
結婚してあげれば良かったのに…
恋桜 : 2007-11-25(Sun) 18:33 URL edit
そんな約束怖いな...............。
D1 : 2007-11-25(Sun) 21:55 URL edit
我が名はジャングルジムの王なり。
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