畏るべき君よ わが身は御許に捧ぐ。

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2007-12-09

 今まで 神様は いませんでした。

 が 次の瞬間に 神様はこの世に新生いたしました。

 彼女の 『神様がいますように』 という願いによって。

 彼女の 『私を救ってください 私と私以外の人々をどうか 救ってください 私達の全てが苦しまず 悲しまず 痛みを感じず 不幸せでないように 幸せでありますように どうか どうか』

 彼女の真摯な願いによって 神様は この世に新生しました。

 彼女は実のところ 彼女自身無自覚ながら 願うことによって願望希望妄想を この世に現実現させる神にも等しい力をもっているのでありますが 彼女と彼女と取り巻く男女4人に関するお話は また別のお話。

 さて この世の現れ出でたります神様は 自分が何をすべきかを考えました。

 全ての人が幸せであるように 痛みを感じないように 悲しまないように 苦しまないように。 全ての人々が救われるためには どうしたらよいのでしょうか。

 神様は考えて考えて考えて考えた挙句。 それは無理なことであると悟りました。

 誰かが得する為には 誰かが損しなければいけない。

 誰かが 喜ぶ為には 誰かが悲しまなければいけない。

 誰かが楽をする為には 誰かが苦しまなければいけない。

 誰かが快であるのならば 誰かが苦痛でなければいけない。

 誰かが慈しまれるのなら 誰かが虐げられなければいけない。

 誰かが自由を欲するたびに 誰かが不自由しなければいけない。

 誰かが誠実に生きる為には 誰かが無駄に死ななければいけない。


 これでは 全ての人々を 救うことができません。

 誰かの幸せのためには 誰かが不幸せでなければいけないのです。

 どうしたらいいのか 神様は考えて考えて考えて 一つの考えに至りました。

 ならば 自分が身代わりになりましょう。

 全ての苦痛 全ての不幸 全ての罪咎 あらゆる負の方向の一切を 担って背負って抱いて呑み込み 不平不満の一滴洩らさず 皆の為に喜んで穢れ 愉しんで傷付き 悦んで死に 自らの全てを与え 自ら自身を全て捨て 全ての人に対しての 絶対服従の犬となりましょう。

 そうして神様は 自ら幾千幾万幾億にも 裂けて解けて分かれて殖えて 世界中に拡散いたしました。

 それが いつの間にか世界中に居た 『モドキ』と呼ばれる 人型二足歩行動物の正体です。
 
 モドキは最初に現れたとき 全ての人に云いました。
 
 私はあなた方の身代わりです。  あなた方の替わりに労役を担い あなた方の代わりに収入を得 その全てをあなた方に捧げ 地を耕して実りを刈り取り 家畜を牧して肉脂を手にし それらの全てを日々の糧としてあなた方に与え 自らは飢えても食わず 渇いても飲まず その代わりに廃物を糧として生き。 それらへの対価は要りません ただ ただ わが身はあなた方に捧げられ 我が命はあなた方の命ずるままに。 ですからどうか なにとぞどうか あなた方のお役に立たせてください。

 そんなことを いきなり現れた 正体不明のモノに告げられたら どうですか。 『はい わかりました』 とソレをすぐさま信用できますか。 何処の誰とも知れないモノからの 一方的な献身 無償の奉仕 隷属宣言 なんて 生理的に嫌がられるでしょう?

 その申し出に対する人々の反応は モドキへの無視から始まり 虐待へ連なり 殺虐に至りました。

 人々は モドキを殺して殺して殺して殺して殺しましたが モドキは 一切の抵抗なく殺されて殺されて殺されて殺され続け それでも死に絶えることなく 更には数を減らすことはなく。 
 如何に無抵抗とはいえ数の減らないモドキを殺し続けることには 飽き果ててしまった人々は まあ モノは試しということで モドキを働かせて見ることにしました これが 思いのほか役に立つ。 なんでも巧くこなすし 不眠不休で磨り減って死ぬまでこき使っても文句の一つも無い給料要らず 奴隷という概念すら生ぬるい まさに理想の消耗品。

 こうして人々は モドキに苦役苦労を担わせ モドキを好きなように召し使い モドキを悪戯に傷つけ殺して憂さを晴らし 自分自身の身代わりとして依存すること甚だしくて。


「このように 私を使ってくれて 感謝以外の何事もありません ありがとうございます 私が死ぬまで使ってくれて ありがとうございます あなたが憂さ晴らしのために私を殴り殺してくださって ありがとうございます。 けれども ごめんなさい 私は 私たちは もう あなた方の身代わりになれないのです なりたくても もう 無理なのです。

 私たちは もともと一つでした それが幾十億にも解れ あなた方の身代わりとなってきました そして その数を減らさぬように 一定数を割らないように 飢えて渇いて潰れて死んで 数が減るたびに個々が少しずつ分かれて継ぎ足し 数を補ってまいりました。 けれども 補うたびに 私は 私たちは 少しずつ薄く引き伸ばされて軽く弱くなり もはや 形を保つのもギリギリなのです。  
 
 そして 今 あなたが 私を戯れに殴り殺した事で 最後の一線を越えてしまいました 私は 私たちは もう あなた方の身代わりには なれません。

 ごめんなさい ごめんなさい 許してください 私は 私たちは あなた方を救うことが出来ませんでした 許してください ごめんなさい ごめんなさ」

 と 謝り続けながら 彼は 溶けて薄れて小さくなって 這い蹲った地べたの上 雪のように消え去って もう二度とこの世に現れませんでした。
 
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Comment

名状しがたきもの : 2007-12-10(Mon) 02:39 URL edit
ハルヒネタかとおもったのに・・・

依存した人間はこの後どうなるのでしょう。
名状しがたきもの : 2007-12-10(Mon) 11:41 URL edit
ハルヒじゃないのか…
名状しがたきもの : 2007-12-10(Mon) 17:57 URL edit
モドキが居なくなって退屈になった彼女はもう一度神様に願いました
その瞬間、神様が創造されて(以下、彼女が死ぬまで繰り返し)
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