2007-02-26
「僕は死にません あなたが好きだから」
時速80kmでダンプカーに撥ね飛ばされた彼は 血だらけになりつつもムクリと上体を起こし ゾンビめいたヨロヨロ歩きで ダンプカーの運転席から降りた彼女に近づきます。
「僕は死ねません あなたが好きだから」
悲鳴にも似た奇声を上げて 彼女は 右手に握り締めた鉈 彼の顔面めがけて 乱打 乱打 乱打。
もはや目鼻の区別もつかないほど無残に刻まれた彼の顔は爆ぜて柘榴のように けれども 彼 ヨロヨロと歩みを止めず 彼女に近づいてきます。
声にならない絶叫 空気の漏れるだけの声あげて 彼女 ひときわ大きく鉈を振りかぶり 彼の脳天 唐竹割ろうとしたけれど 彼のゆるりと上げた右手に阻まれて 鉈 彼の右手を縦に割り 手首を過ぎた所で食い込み動かず。
「あなたが何度 僕を殺そうとしても 僕があなたを愛している限り 僕は死にません」
彼女 身体の何処に隠してたのかって程に大量な 鋭利な刃物 目にも止らぬ早業で 彼のありとあらゆる急所を的確に貫いて貫いて貫いて。
「僕は今まで あまりに頑丈すぎる僕の身体が 何の為にあるのか 僕みたいな不死身の怪物が生きていていいものか なんて 色々考えてきたのですが ようやく思い至ったのです」
彼の全身に突き刺さった刃物 ミギミギ音を立てて身体の外に押し出され 見る間に傷跡が塞がっていって。
「僕は あなたという 新たに目覚めた殺人鬼の為の 永遠の被殺害者です。 僕の不死身は あなたに殺され続ける為だけにあるのです あなたが殺していいのは 僕だけです だから 他の誰も 殺させません 絶対に」
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Comment
男さんかっこいい
他の誰も殺させないってのがヤキモチに聞こえます。