2007-01-14
ヒロシ少年は自らの住まう安アパートの隣に忽然と建つ古びた洋館(同級生の間では化け物屋敷の名称で通っている)に足を踏み入れた。
勝手知ったるその屋敷の扉を押し開き、中へと入る。と、ちょうど食堂の方から小太りの中年があらわれた。
「おや、ヒロシくん。坊ちゃんと遊ぶ約束でガンスか?」
「あ、オオカミ男さん。怪物くんは?」
ヒロシ少年は玄関に屈み、靴を脱ぎだす。
ヒロシ少年の半ズボンから伸びる小学生特有のスッキリとした太股や水蜜桃の様なウナジを、ナメクジにも似た、舐りまわすかの様なオオカミ男の視線に、ヒロシ少年は気付いた。
「どうかした?」ニッコリと微笑む
「い、いや……なんでもないでガンスよ。坊ちゃんなら自分の部屋に……」
ドギマギしながらオオカミ男が答える。
「そ、そうだヒロシ君。坊ちゃんと遊び終わった後、俺の部屋に寄るとイイでガンスよ。美味しい料理をご馳走してあげるでガンス」
「うふふ、ありがと」
とびっきりの笑顔を残して怪物くんの部屋へ向かうヒロシ少年。ソレを惚けた顔をしてオオカミ男が見送る。
◇◇◇
怪物くんの部屋の扉は堅く閉ざされている。ヒロシ少年は中に居るであろう怪物くんに扉を開けるよう懸命に頼んでいる。
「怪物くん?怪物くん!いるんでしょ?開けてよ!開けてったら!!」
ヒロシ少年はノックし続ける。
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン
ギィイ。軋んだ音をたてて僅かに扉が開く。カーテンを閉め切っているのか、部屋の中は真昼とは思えない程に薄暗い。その扉の隙間から、怪物くんの手が蛇の様に伸び、ヒロシ少年を捕まえて部屋の中へと引きずり込んだ。
気が付くと、ヒロシ少年は怪物くんのニョキニョキと長く伸びた右腕に雁字搦めにされていた。ヒロシ少年の華奢な身体にゴムのような右腕がギリギリと食い込んでいる。
「い、痛いよ怪物くん、離してよぅ………うぅ」
精一杯の憐れみを誘う声でヒロシ少年は呻いた。背後でガチリと音がしたのは、怪物くんが残された方の手で扉に錠でもかけたのだろう。
「ヒロシ、お寿司屋さんゴッコしよう」
ベッドに腰掛けていた怪物くんが唐突に話し出す。
「そんな……急にお寿司屋さんゴッコだなんて、わからないよ……」
「オレが寿司屋の大将、ヒロシが常連のお客さん、いいね?」
「いいけど……何をすればいいの?」
「簡単な事さ。『よぅ大将、活きのいいトコロ、握ってくれる?』と云うだけでいい」
「なんでそんなこと……い、痛い!わかったよ!云うよぅ!」
ヒロシ少年をギチギチと締め付ける腕が一層強く締まり、ヒロシ少年は涙目になりながらも怪物くんの言いなりになる。
「じゃ、じゃあ云うよ……大将、活きのいいトコロ、握ってくれる?……ヒャ!!ダ、ダメだよ怪物くん!ソコは握っちゃダメだよ……あ、あぁ」
◆ ◆
「ヒロシくん。一緒にヤールギュレシをするでガンス」
「オオカミ男さん、なんですかヤールギュレシって」
「何って、トルコの国技でガンス」
「オオカミ男さん、なんで裸なんですか。なんで僕の服を脱がすんですか」
「ヤールギュレシは裸でするスポーツでガンス」
「オオカミ男さん、なんで身体中にオリーブ油を塗りたくっているんですか」
「ヤールギュレシってのは身体中にオリーブ油を塗りたくった屈強な男達が裸で組んず解れつのオイル相撲だからでガンス。さあ、ヒロシくんにもたっぷりオリーブ油を塗りたくってあげるでガンス」
「ひゃ、オオカミ男さん、ソコは、ああ」
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- 『ヤールギュレシ』について
ヤールギュレシヤールギュレシまたはトルコ相撲は650年の歴史を持つ伝統格闘技で、トルコ共和国の国技でもある。トルコ国内で行われるトーナメントは主要なものだけでも年間40あり、毎年6月にトルコとギリシャの国境の街エディルネで全国大会が開催される。レスラーは水牛の ...
格闘通信簿 : 2007-02-10 06:05
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Comment
ほかにはブリキ男にオイルを塗ってあげるドロシーのイメプレネタとか