2006-12-27
お盆や正月 妻の実家にお邪魔するたびに うちのワイフが 家の片隅でゴソゴソ何かしているのであります。 何か探しモノをしてるのかい?
「ん? 探しモノっていえば 探しモノねえ」
君と一緒に 君の実家に里帰りするたび気になってたんだけれど いつも 同じ場所でゴソゴソやってる。 かといって何も見つけ出した様子もないし 一体君は 何をしてるのですか。
「隠し扉があるんじゃないか と思って」
君の実家は忍者屋敷か何かなのかなあ
「いくら探しても ある訳ないの 分かってるんだけどね。 でも この壁のどこかをどうにかすれば 隠し扉が開いて秘密の階段が現れる気がしてならないのよね」
だいたい 君の実家でしょう? 生まれたときから住んでるのに もし隠し扉があるってンならとっくの昔に気付いてるだろうし 構造的にこの壁の向こうはすぐ外です 階段とかがあるわけがないですよ
「そうなんだけどね。 でも 探さずにはいられないのよ」
そりゃ なんでまた
「夢に見るの。 私がこの家のことを夢にみるときは 必ず この場所 壁のところに階段があってね。 階段を昇ると広めの部屋があるの。 夢の中の私は 階段と部屋があるのが当たり前なふうに行き来してて その部屋で小さい弟と遊んだりしてるのよ。 んで 目が醒めるたびに あそこに階段なんてないってことを思い出すのよ」
ふうん。 ところで君に 弟なんていたっけ?
「いた のよ 一人」
いた?
「私が6才 弟が5才のとき 二人でお留守番してたとき かくれんぼをして遊んでたの。 弟が隠れる番で 私が鬼。 弟が『もういーよ』って声出して 私 声の聞こえたほうに見当つけて 探し始めてね たしかに ここ この壁のあたりから 弟の声が聞こえたの。 でも 弟は見つからなかった」
彼女 壁の表面 慈しむように 手で撫でて。
「あれから20年経ったけれど 弟は隠れたまま 行方知れず。 でも この壁の向こう 階段の上の あの部屋に 弟がいる気がしてね」
壁の向こう側から コトリと音が聞こえた気がした。
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Comment
その日をまっているに違いないですよ。