秘鑰。

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2006-12-17

僕の近所に住んでいる親類の娘さんであるところのミドリさんは ミドリさんの友達から云わせると『とても力のあるモノに護られている』のだそうです。

ミドリさん本人は 霊感とか幽霊をみるとかそういったことは今まで一度もないけれど それはミドリさんを護っているモノが強くて 幽霊や悪いものを一切寄せ付けないから見たくても見れない のだそうです。

「実際 そんなのに護られてるって気は全然しないんだけれどもね」

そうですよ ミドリさんを護っているのは 僕一人でいい

「何か云った?」

いえ 別に。 でも ミドリさんの友達は ミドリさんはその何かに保護されてるって云ってるんですよねえ

「保護されてるのは達人だけでいいのよ! そんなのなくても私の護身は完成してるってのに!」

ミドリさん 渋川さん気取りですか

「まあ そんなのはどうでもいいんだけれども その友達が わりと胡散臭くてね」

胡散臭いっていうと?

「うーん その友達 今野さんっていうんだけど。 自分のことを 『光の戦士』だって云ってるの。 自分は前世で世界を救った五人の光の戦士の内の一人で? 生まれ変わって五人はバラバラに別れて全世界に離れてしまったけれども? 世界の危機がまた近づいてきている昨今? また五人は集って世界を救わなければならない? だから仲間を探してるんだって」

うわあ。 で ミドリさんも その五人の光の戦士の内の一人なんですか?

「まさか。光の戦士は 右肩のところになんか梵字っぽい字が生まれつきあるらしくって ソレが目印だってさ。 私には幸いなかったんだけれど 今野さん  『あなたは残念ながら戦士の一員じゃなかったけれども 協力者の一人に間違いないわ 三万年前 ムーで私たちを支援してくれたあの神官に 眼差しが似てるから…』 だってさ」

ふうん。 で その今野さんとやらが ミドリさんが何かに護られてるっていうんですか。 そりゃきっと 彼女の前世話とおなじくらいに眉唾物ってことでしょう?

「でも 私が何かに護られてるって云ってくれるの その今野さんだけじゃないのよ」

誰が云ってるんですか

「んーっと 隣のクラスの吉沢さん。 彼女も光の戦士の一人なんだってさ」

全世界に離れ離れになってるんじゃないんですか ずいぶんと安い。

「偶々らしいよ? 彼女たちに云わせると『必然』らしいんだけれども」

うーん。 そういう人たちの好みそうな言葉だねえ。 中学生が『限りなく透明な』とかの言葉を好んで使うように

「んで。 この間なんだけれども 隣のクラスの吉沢さんと今野さんが言い争いになったのよ。 どっちの方が チカラが強いかって」

なんとも不毛な争いですね。

「今野さんは地水火風の精霊の力を借りて扱うことができるそうなの。吉沢さんは竜の血族の末裔で 小竜を使い魔にしている上 命が危機の時には自身が古代竜に変化することが可能だそうよ。 んで 『私の真の力が発動したらあなたなんて』とか『あなたなんて私の使い魔程度でも三秒で血の海よ』なんて どうでも言い争いをはじめて」

本当にどうでもいい争いですね。

「お互いが真の力とやらを開放して争えばいいものの そうしたら余りに強大な力のぶつかり合いで世界が壊れるかもしれないらしいの だから 別のことで二人の優劣を決めようってことになってね」

そんなの どうやって

「んッと 肝試し。 学校の近くに ある意味有名な心霊スポットの廃神社があるの。すごいのよ 問答無用の祟り場。 知ってる人は足を踏み入れようともしないし なんの力もない素人でも ちょっとでも近づこうものなら寒気と脱力で腰が抜けちゃう そんなところ。 そこに肝試しに行って 平気だったほうがチカラがあるんじゃない? ってことで 私と今野さんと吉沢さんとで そこに肝試しに行ったの」

ちょッ ミドリさんが行く必要はないんじゃないんですか?

「私もそう思ったんだけれど 二人が云うには『万が一の保険』なんだって。もし 悪いことがあっても 私を護ってくれてるモノがその悪いモノを弾いてくれるんだってさ。 おかしいよね 二人が本当のチカラを使ったら その悪いモノなんてイチコロなのにね ふふふ」

ミドリさん なんか微笑みが黒いですよ

「んで 学校が終わってからいったん家に帰ってから 夕間暮れに再集合よ。 今野さんは胸から下げたミネラルウォーター入りのペットボトルの中に水の精霊を召喚してきたって云うし 吉沢さんは竜を模った銀の指輪をしてきて なんかソレに小声で話しかけてるし。 ふふ とんだ道化芝居よ。んで もと社殿だったトコロがスゴイから とりあえずそこまで行こうって 三人で行ったのよ。 道々 ありもしないところを二人で指差しては神妙な顔でアレコレ云ったり なんか呪文風のを唱えたりしてたけれど ふふ ありゃ 今思い出しても 笑える あの二人の顔 とてもユニーク」

ミドリさん この女狐め

「なかでも一番傑作だったのが 一番スゴイっていわれてる社殿跡でのことよ。 二人が『ここ すごい力場…異界化してる』とか『アストラル体が実体化できるね…』なんて よく分からないこと云って 私の前を歩いてたときよ。 二人がヒュッと息吸い込んで 真っ青な顔して指差した ボロボロに倒壊寸前の社殿の中 なんか途轍もないモノが こっちを睨んでるって 二人が云うの。 私には勿論 そんなの見えなかったんだけれど。 その凄いモノが 敵意をむき出しにしてて 今にもこっちに襲い掛かってきそう ミドリさん あなたの出番よ! って 今野さんと吉沢さんが 私の方を 振り向いたの」

そしたら?

「今野さんと吉沢さん 後ろ 私のほう振り向いて 何か云おうとしたけれど その姿のまま固まったみたいに動かないの。 私 二人に どうしたの?って近づいたら どうなったと思う?」

どうなったんですか

「二人同時に失禁よ。 真っ青だった顔色もむしろドス黒い色に変わってて アレねきっと ものぐるいになる寸前って あんな顔をするものなのねえ。 まったく 私のほうを見て正気を失うなんて失礼だとおもわない?」

それはきっと ミドリさんの後ろに 見ただけで発狂するほどのモノがいたからじゃないんですか

「失礼ね まるで 私を護ってくれてるモノが とんでもない化け物みたいな言い草よ」

まあ あながち間違いでもないんだけれどもね なんて ミドリさん 独り語ちつつ お守りがわりに首から下げた 銀の鍵(奇妙なアラベスク模様が施されている)を そっと握り締めた。
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Comment

名無しさん : 2006-12-21(Thu) 12:19 URL edit
蛇を読んで満足して危うく見逃すところでした
名状しがたきもの : 2006-12-22(Fri) 13:23 URL edit
ミドリさんの背後にいたものが何なのかとても気になる…
名状しがたきもの : 2006-12-30(Sat) 22:00 URL edit
SANチェック!
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