ふきつな家。(here and there #24)

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2006-09-25

昔 縁あってひと夏の間だけ住んだ貸家は 厭な感じのする家でした。

僕の遠縁に当たる人たちが住んでた家 今は誰も住んでない家 一家離散で長いこと空き家

ジメジメ湿気てカビっぽい 酸味の効いた澱んだ空気

家具や食器がそのまま 一家離散したときそのまま 黄ばんだカレンダー 何年も前からそのまま

洗面台のところ いなくなった家族の数 歯ブラシが7本



住んでみて気付いた不便な点 家の何処にも鏡の類が見当たらない

朝 洗面するときに困るだろうって 小さな鏡を買って 洗面台に立てかけた

次の日の朝 何にもしてないのに 小さな鏡 真っ二つにひび割れていて。



どうにもこうにも落ち着かない 居ても立ってもいられない 居心地悪い。

いつもの楽な筈の姿勢で座っていても 落ち着けない楽になれない安心できない

障子や襖の隙間から 覘かれてるような気がしてならない

ぴっちりと隙間なく閉めたはずの障子や襖 いつの間にか指二本分ほどの隙間が開いていて



花瓶に活けた花 その日のうちに萎れて枯れて

宵宮ですくった金魚三匹 翌朝にはみんな金魚鉢から飛び跳ね逃げて床で干からび 

毎朝の日課 玄関先に墜落して死んでる小鳥の埋葬

庭の隅 日ごと増えてく小さなお墓 僕が埋め始める前から沢山のお墓 朽ちかけた木の棒が数多



壁や柱のいたるところ 突き出た小釘 うっかりしてたら即引っ掛り

服破れる 裂ける皮膚 手足のいたる所についた傷 膿んで塞がらず 少しずつ腐り

毎日微熱 いつも咽喉乾く 効かない薬 かなりだるく

就いた病床 寝返りも打てず 魘され見上げて見つめた天井 木目が歪んだ苦悶する顔状 僕と目が合った。
 

いつも湿っぽい仏間 畳に滲んだ黒い染み跡 なぞると人の形

いつも躓いて転げ落ちそうになる階段の三段目 こびりついた赤黒い染み

本棚で見つけた日記帳 途中のページが破り取られて 最後の一文 『みんな しぬ』



仏壇の 位牌に書かれた命日が 七つ全部 おんなじ日付。
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Comment

名状しがたきもの : 2006-09-25(Mon) 05:24 URL edit
この話が一番嫌い。
黄印居士がなくなってた時のこと思い出すからね。
名状しがたきもの : 2006-09-26(Tue) 01:57 URL edit
私もです
名状しがたきもの : 2006-09-26(Tue) 03:53 URL edit
ストレートに恐い話・・・
名状しがたきもの : 2006-09-26(Tue) 12:06 URL edit
一家が全員同じ日に死んだんなら
誰がその位牌を作ったの?
名状しがたきもの : 2006-09-26(Tue) 19:40 URL edit
here and there も無くなってしまいましたね。
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