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年賀状の件。只今ご応募頂いてる分で終いにしたいと存じます。
あと け様 アサドリ様 メールのアドレスが分からぬ故 当方までメールいただけませんでしょうか よろしくお願いいたします。
catthroat@gmail.com
以下 今年追加で描いた奴のアレ。
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2010-01-08(Fri) | 未分類 | comment : 6 | Trackback : 0 | △
明けましておめでとうございます。
今年描いた年賀状を 何枚か。
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2010-01-03(Sun) | 未分類 | comment : 7 | Trackback : 0 | △
空からおちてくるものって 何かある?
雨とか雪とか そんな ありきたりのものじゃなくて。
どこかの国じゃあ カエルとか魚とかが空から落ちてきたっていうけれど。
私の目の前にも なにか落ちてきてもいいと思わない? なんでもいいから落ちてきてくれたら それなりの暇つぶしになると思うのに。
落ちてくるなら 何でもいいよ 例えば壊れたピアノ 例えば天使の羽の欠片 例えばお月様 例えば 流れ星。
なんてこと 考えてたら 私の目の前 すごい勢いで 流れ星が落ちてきた。
そういえば 流れ星のこと アマツキツネっていうけれど アレって 流れ星の尾がキツネの尻尾のようだから そんな風に云われきたんだなあってたと思ってたんだけれど。
今 自分の目の前 流れ星の落ちた跡 地面にめり込んでる人 空から落ちてきた男の人(多分 男の人だと思うよ)のことを思うと それだけじゃなかったんだって思うよ。
身体中 焼きすぎたバーベキューみたく黒焦げで 服の残骸みたいのが申し訳程度にくっ付いているだけでほぼ全裸 手足もわりと千切れかけていて 臓物なんかもデロリとぶち撒けかけてて それでも まだ生きていて。
本当なら こんな得体の知れないの ほっといて帰りたかったのだけれども なんだか男の人の雰囲気が あんまりに変てこで。
ズタボロで死に掛けの 空から落ちてきた男の人の顔に ぴったり張り付いて 外そうとしても剥がれなかった。
真っ白く汚れ一つ 傷一つも付いていない 狐の面。
わあ この男の人 面白い 絶好の暇つぶしじゃないの。
私 家の納屋に飛んで帰って ネコ車を持ってきたわ。 一人じゃ この男の人 担いで帰れないし。 ほっといたらきっと この人死んじゃうから 私の家の納屋兼牛小屋に連れ込んで 私 看病したげるのだわ。(この傷じゃ ほっとかなくても死んじゃうだろうけれども 死んじゃった時はその時よ)
2009-12-06(Sun) | 未分類 | comment : 5 | Trackback : 0 | △
「そういやあ こないだの話の続きなんだけれども」
と 彼が云いました。
「ある日のこと 空から 星が降ってきた」
ずいぶんと唐突な話ですね
「降ってきたのは真昼というのに 明るく輝き 世界中の人が その星の輝きを見ることができた という」
へえ 隕石ですか
「やがて その星は ある地点に落ちた。 だが ツングースカ大爆発みたいな事態は無かった。 いたって穏やかに 落ちてきた」
隕石じゃ なかったんですか?
「さて その星が落ちてまもなく 世界中で大変な事が起き出した。謎のウィルスの蔓延だ」
あ 感染して死んだ人がゾンビになりだしたとか
「そんなんじゃあない。 そのウィルスってのは 星から撒き散らされたウィルスってのは つまり DNAに作用し 劇的な肉体変容を引き起こす。 感染した90%が生存不可能な変容を引き起こし 破裂もしくは人体発火など 見るも無残な死に方をした」
うぇ 大変じゃないですか
「そして 生き残った中の9割 つまり9%の人間は 人間が進化の過程上とりえたかもしれない姿 おもに獣頭人身の姿 傍から見たら愉快な畸形人間へと姿を変えた。 そして 最後の1% 100人に一人という幸運な人間が ウィルスの引き起こした肉体変容によって 『超人』へと進化した。 さまざまな食料の特性・特殊能力をもった『ヒーロー』にな!」
は? 食料の特性って なんです
「そして その星が落ちた場所 とあるパン工場の釜の中なのだが ちょうどそのパン工場の釜の中にあった アンパンの種と星が結びついて生まれたのが アンパンマンだ!」
なんだ アンパンマンの話ですか。 なんの話かとおもったら 馬鹿馬鹿しい
「馬鹿馬鹿しい とはなんだ 前に君が アンパンマンの世界ってどんな具合なんだい? って云ってたから 考えてきたのに」
そんなこと 云ってましたっけ?
「云ってたよ。 まず あの世界でケモノ面の人間がほとんどなのは何故? パン工場製のヒーロー(アンパン・メロン・ロール・カレー)以外にオニギリとかハンバーガーとかカツオブシのヒーローがいるけど どうやって誕生した? あの世界の食糧事情は? ジャムおじさんとバタコさんだけが人間なのは? チーズが喋れないのに運転できるのは? などなど」
そういえば 云ってたような。 じゃあ 最初にあの世界でケモノ面の人間がほとんどなのは何故です?
「普通の人間もいるさ ウィルスに感染していない人間の方が多い。 だから 感染して変異してしまった人間は隔離されている。 それが あの世界だ。当然『ヒーロー』も感染者であるので あの世界に隔離されている。 あと 落ちてきた『星』と同化したパン工場で焼かれたパンは ヒーローになれる」
ふうん。 じゃあ ジャムおじさんとバタコさんだけが人間なのは?
「そりゃあ 星が落ちてきたときパン工場でパンを作っていた二人は 『星』と同化しちまったからさ それによって 『変異を引き起こすもの』そのものになった だから 変わらない」
ん っと なんだかよく分からなくなってきましたが?
「ま まあいいじゃないか あと チーズが立ったり自動車を運転できたりするのは こいつもアンパンマンウィルスに感染した 100匹に一匹のヒーロー犬だからさ 元が犬だから 喋れない。あとは あー あ! いけない! 用事を思い出した 行かなきゃ! 話はこれで終わりだ! 終わりだ!」
と 彼 云いたいことだけ云うと 後ろも見ずに帰ってしまいました。
きっと彼 なんとなく思いついちゃったから 後先考えずに云ってみただけなんだと思います。
詳しくは 東京創元社発行の『WILD CARDS』シリーズ 僕は好き と云う事。
2009-12-06(Sun) | 未分類 | comment : 1 | Trackback : 0 | △
彼女 読んでた本から顔上げて あらぬところを見て云いました。
「少年たちによって作られた 寺沢武一作の漫画を燃料に動くロボットが 少年に『少女のホカク』を命じられたけれども 連れてくる女連れてくる女 みんなドミニクみたいな尻の女で …みたいな話 どうだと思う?」
何 うわ言を云ってるのかなあ と 彼女の持ってる本を覘いてみたら ああ 以前僕が購入した
ライチ★光クラブじゃあ ないですか
「え なんか頭の中に 『ブイチ★光クラブ』って単語が浮かんだら消えなくてね。 ブイチ ブブイチ ブブブイチ」
のべつまくなしに いろんなのを読みすぎるから そうなるんですよミドリさん コブラとか プロレススターウォーズ とか。
2009-12-06(Sun) | 未分類 | comment : 2 | Trackback : 0 | △
どんな小さな声だって 君の声だとすぐ分かる けれども あれから まだ一度も君の声を聞いたことがないよ。
毎日毎日 君の居るところに お花を持って出かけてるのに 君の声 これっぽっちも聞こえない。
話しかけて欲しい 声をかけて欲しい 僕の問いに答えて欲しい けれども 君は無言のままで。
ならばせめて 一目でいいから姿を見せてはくれませんか どんな姿でもいいのです。
別に おめかししてほしいだのの贅沢は云いません そのままの姿でいいのです どんな姿の君だって 僕は贅沢云いません 会えるだけで幸福です。
いいえ 違います 会えただけじゃあ 足りません。
君に触れたい 君の細い腰を抱き寄せて 澄んだ君の右目を覗き込みたいです 君の ちょっと控えめな右胸にそっと手を這わせ ふくらみを確かめたいです 君の冷たい唇に 僕の唇を重ねたいです。
君の 残された右手をしっかり握り 君がもう何処へも行かないように 掴んで離しません だから。
僕の前に姿を現してくれませんか 僕に話しかけてくれませんか。
それまで僕は ずっと待っていますよ 君が 轢かれて死んだ この交差点で。
ダンプに轢かれて潰れて摩り減って 左半分 なくなってしまった君を ずっと待っています。
僕の一生のお願いを 全部使ってもいいです 一生懸命 君に会うため まじめに一生懸命に念じ続けます。
会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会い た
あ ああ 会えた
2009-12-06(Sun) | 未分類 | comment : 3 | Trackback : 0 | △
近頃 どうにも冴えません。 何をしても 楽しくない 面白くない 熱くなれない 心躍らない。
体が怠い 疲れてしまって身動きできない 血の巡りが悪くて手足が冷たい 指先が震える。
料理が旨く感じない 舌の奥がビリビリして苦味しか感じない 熱いか冷たいかしか解らない。
考え事が纏まらない 頭の中がゴチャゴチャで 思いついてもすぐ忘れ 集中しても霧散する。
感覚とか興味とか欲求とかそういうのが薄っぺらくなってしまったのです パンの表面に満遍なく薄く薄く薄く伸ばされ塗られた小さなバター一欠けらよりもなお薄く 拡がって散り散りになって霞んで揺らいで ただただ薄らボンヤリした頼りないものになってしまった感じがします。
何かをしよう と思っても エンジンが掛からない ガソリン切れなのかバッテリー切れなのか 一向に掛からない そうこうしている内に致命的な故障がおきて取り返しのつかない事になってる そんな感じです。
以前まで滾っていた 十二歳くらいの女の子の下半身にアレコレしたいという欲求が 嘘のように消え去ってしまいました 女の子の水蜜桃のようなウナジに舌を這わしたいという衝動が已んでしまいました ゆで卵みたいなお腹に頬擦りしたいという欲動が果ててしまいました。 煩悩と欲望の塊だったこの僕が こんな有様になろうだなんて 思いもよりませんでした 困ったものです。
もう どうしようもない毎日なのですが 救いがあるとすれば一つだけ 楽しいことがあるとすれば一つだけ。 寝て夢を見る事が 夢見ることだけが 楽しい 面白い。
夢 とも云い表しにくいけれど 夢としか云い様がないのです 昔の事を 寝てるときに見るのです。
目を瞑ると 僕が赤子だった頃から順々に 憶えてもいないはずの小さい頃の記憶が 早送り気味に再生されるのです。
例えば 保育所の時に仲の良かった女の児の事 その女の児が池に嵌って死んで お葬式に行った事 その女の児の背中を優しく押したときの事 お葬式のときにお菓子を貰って食べた事 そのお菓子がブルボンのルマンドだったこと などなど。 するするするする もう忘れていた昔のことが 鮮やかに再生されるのです。
目が覚めると 今まで見ていた夢 過去の記憶の余韻にジンワリと浸ります ああ まだ小さい頃の僕は 無条件に他人に受け入れられるということを当然の事だと信じ込んでいて それがいずれ裏切られるということを未だ知らないのだなあ。 友達と仲良くすることが当たり前のことだと 誰とでもすぐ友達になれるのがいとも容易いことであるのだと 何故思えていたのでしょう 何故そのまま真っ直ぐに育ってくれなかったのでしょう。 捻くれてしまった今となっては もうどうしようもないことです なんとなく物悲しい思いをシミジミ味わいます。
また目を瞑って眠ると そのまま夢の続きが見れます 一時停止していたところから素直に再生されます。 一晩の内に再生されるのは だいたい一週間相当の記憶です。 だいぶ前から この症状があるので 今再生されているのは小学校低学年の頃です 僕が 人は裏切るもので 自分も裏切られるのだ ということを理解し始めた頃のことです。 ああ 確かこの頃は僕の初恋があった筈ですよ その頃の甘酸っぱい記憶を再生されるのが楽しみです
「ふん 楽しめるうちに楽しむがいいさ」
と 僕にどうでもよさそうな顔で話しかけるのは 僕と同じ年齢 似通った容姿をしていた筈の 僕の双子の兄であります。 兄さん 楽しめるうちにって どういうことさ そのうち楽しくなくなるような言い草じゃないですか。
兄さん 椅子によじ登ると 腰掛け 足 ブラブラ揺らし あどけなく小首をかしげて。
「まだ 記憶を楽しめるんだろう? 小さい頃の思い出ってのは 大抵楽しいものだろう。 お前が今の俺ぐらいの背丈だった頃は まだ可愛げがあって 誰からもチヤホヤされただろう けれども。 お前が中学生になって 高校生になって 色を知る年頃になってだ。 その頃の思い出ってのは お前にとっちゃ 思い上がりと後悔と苦痛と羞恥のごった煮だろう? 二度と思い出したくない類の記憶じゃないのか。 その思い出を お前は思い出すぞ 否応なしに見せ付けられるぞ お前の話が本当ならば お前が眠っているとき 見たくない思春期の頃の醜い記憶が ありありと順繰り再生される時が必ず来るぞ 見たくない記憶を見ても お前は楽しいと思えるのかいッ!」
思えるのかいッ! と 兄さん 紅葉みたいな小さい手の人差し指をピンと伸ばしてズバリ指し。 え ええ きっと楽しめるのではないのですか 苦いワインも歳月が甘くしてくれる と云うじゃないですか
「云わねえよ。まあ とにかくだ。 うむ とにかく…… ウサギにツノと書いて兎に角。 多産と色欲を象徴するウサギに男性原理の象徴である角で 兎に角。 つまり 兎に角ってのはバニーガール姿の男の娘をイメージさせる言葉と云えるんじゃないか?!」
云えねえよ。 どっからどの話に飛んだんです それに男の娘 ってなんですか。 男なのに娘って。 男性器が生えてたら娘じゃないですよ
「男性器が生えていたら何で娘じゃないんだ? まあ 兎に角だ。 お前が その 眠っているときに過去の記憶が再生される ってのは 現在進行中な訳なのだな? 一晩で一週間位ずつ 遡ってくる訳なのだな?」
ええ そうですけれども 何か 問題でも?
「その症状がこれから先もずっと続いて 幼少期も終わり 思春期も過ぎ 青年期を経て やがて壮年期に至る。 夢で再生される過去の記憶が 現在のお前に追い付くんだ そしたら どうなると思う?」
さあ? 再生される記憶がなくなるんだから そこで終わっちゃうんじゃないですか?
「終わっちゃう。 ふん 終わるんだろうよ お前の夢も お前の人生も」
え 何を云っているんです 兄さん
「走馬灯現象ってやつを思い出した。 実際にあるのかどうかは知らないけれど。 死の間際 一瞬のうちに 今までの一生の記憶がリピートされるというだろう。 なんか事故とかそういった危機に遭遇した時 その対処法があるかどうか 脳が手当たり次第に記憶を引っ張り出す作用の為 とか尤もらしい事を誰かが云ってた気がするが。 もしもだよ。 それが 急な事故とかじゃない場合はどうなると思う?」
急な事故じゃない場合? 急には死なない場合って事ですか
「うむ。 急にもたらされた死の危機の際には 今までの一生が一瞬で再生される。 しかし 急ではない けれども ある決められた期日に必ず訪れる死が 前もって判っていたとしよう。 本人が知らなくとも その死期を脳が悟ってしまったと考えよう。 だとしたら その死期にあわせて 走馬灯現象もゆっくり流れる と思わないか その死の時にあわせて 記憶のリピートが終わるように。 つまり お前は 夢の記憶が今のお前に追い付く時に合わせて ゆっくり確実に死んでいる って事だよ」
2009-12-02(Wed) | 未分類 | comment : 3 | Trackback : 0 | △
僕には双子の兄がいて 手の施しようもないほど性根の歪んだ兄がいて ここ暫く行方知れずになっていて。
行方知れずになった時の状況から もう生きてはいないものと考えられて ああ コレでやっと縁が切れたと喜んでいたらですよ。
「お前がそんなに薄情者で酷薄だとは知らなかったぞ しかし底なしの博愛で 俺はお前を許してやる 感謝するがいい 跪いて額を床にこすりつけ 涙を流して喜ぶがいい そして俺の靴をペロペロと嬉しそうに舐めるがいい」
と 不遜で傲慢に腰に手を当て仁王立ちしているのは えっと 誰?
「兄ちゃんだよ お前の兄ちゃんだよ!」
え でも 兄さんはもっと大きくて年が行っていて 君みたいに小さくて幼くない 何処からきたんです? 迷子かなあ
「だから お前の兄ちゃんだよ! ちょいと訳あって こんな姿になってしまったが お前の双子の兄ちゃんだよ! ほら 俺らが小学校低学年だった頃を思い出せよ あの無邪気だった頃の俺達を!」
あーっと 確かに 小さい頃の僕達の姿に よく似てる気がする けれども信じられませんよ なんです ちょいと訳あって で 小さくなるなんて。
「じゃあ 何でも質問してみろよ お前の兄なら当然答えられることを 何でも答えてやるぞ! お前の隠してた性癖とか お前がどの漫画キャラにエロいことをしたいかとか! もののけ草子の手の目(幼)とチュッチュしたいよぅ〜 と悶えてることとか! マリみての姉妹でエロいことをしたいのは新聞部姉妹な事だとか! みつどもえの登場キャラに漏れ無く容赦なくエロいことをしたい事だとか! この変態! ド変態がッ!」
そんな事を云った覚えはねえよ。 途中からなんで罵倒に変わってるんです。 まあいいです そんな根拠なく偏見まみれなフザケた事を云うのは 兄さんくらいしか知りませんし考えられません 一応信じることにしておきます。
「ほう お前にしては随分と物分りが早い。 人として柔軟になったようだな。 くくっ あの『二獣面瘡(ハイドアンドハイド)』の二つ名で呼ばれていたお前がなあ」
誰からも呼ばれてねえ。 ところで兄さん なんでそんな小さな姿に? 黒服の男に薬でも盛られましたか?
「そんな名探偵何ナンみたいなことは全くない。 あーっと 犬に追われて俺が行方をくらましたとき かなりの部分を喰いちぎられてな。 あの時は こんな事もあろうかと用意していた 四本針の掛け時計型の謎機械で時空を移動して逃げることができたんだが いやあ 今度こそは死ぬかと思った。 逃げ出した俺がどうやってここに戻ってこれたのかは省略するが かなりの大冒険だったぞ 詳しくはブライアンラムレイのタイタスクロウの帰還を参照のことだ」
兄さん 何を云ってるのか理解出来ないよ
「まあ 兎に角だ。 窮地を脱したはいいものの 身体のパーツが大幅に足りない。 身体を元に戻すのには質量の帳尻を合わせなきゃいけなくてな。 そうなると もっと年を取るか 若返るか。 それで釣り合いがとれたのがこの位の年齢の身体って訳だ」
どんな訳だか理解のしようもないですが。 で どうするんです? そんなに小さくなってしまって まともに生きて行けるんですか
「そこはホラ お前に養ってもらおうと思うよ」
やなこってす 全力でお断りします。
「いやいや 俺を養うことで お前にとっても色々メリットがあるぞ 例えばだ。 お前もいい加減 社会的責任ある立場の年齢だろう? そのお前が結婚もせず子供もいず それで世間様に顔向けできると思っているのか? それで大人だと云えるのか? ご近所からも不審な目で見られるのだぞ そしたらだ。 近所で性犯罪が発生した場合 あそこの独身男が怪しい→即座に任意同行→有罪→死刑 わたるが死んじゃう?!」
誰だよ わたるって。
「そこでカムフラージュとしての俺が役に立つのさ 『何らかの理由で妻と別れてしまい一人息子を引きとって男手ひとつで育てている頑張りパパ』 という立場を お前は手にいれることができるんだぞ ご近所の有閑マダムや持て余し気味の人妻から 『あらあら 佐々木(仮名)さんったら男手ひとつで大変ねえ もしよかったらコレ 晩御飯にでも食べて? そして私の熟れた肉体も食べていいのよ?』なんて事にもなりかねんのだぞ? 熟女天国だぞ?!」
兄さん 黙ればいいよ 黙れないのなら死ねばいいよ
「まあ お前の社会的立場の安定のため 俺みたいなのが居れば ちょっとした目眩ましにはなるだろう。 それにだ ホラ こういうのは需要があると聞いたぞ」
需要?
「うむ。 双子なのに年齢が離れているというカップリングだ。 V.V.とシャルルみたいな。 そっち方面のジャンルからの熱烈な支持も期待できるぞ」
できねえよ。 カップリングってなんです しかも双子なのに年齢が離れているジャンルって どんだけ偏ってるんですか ピーキーすぎて僕には無理ですよ
「まあ いいじゃないか。 さて それじゃあ練習といこうか。 街中で俺とお前が親子として振舞うための練習を」
や なんでもうソレが決定してるの前提で 練習?
「なに ソレじゃあお前は 街で俺とお前が二人でいて 不審に思われないとでもいうのか。 このままじゃあ お前は 小さくて可憐な男の子を不自然に連れ回している不審者としか見られないぞ? 『いけない あの不審な男の棒状の肉が男の子に捩じ込まれちゃう?!』と危惧感を抱かれるんだぞ? もしくはお前と一緒にいるとき俺が『助けて!僕 男の子なのに妊娠しちゃう!』と叫べばお前は」
脅すつもりですか 兄さん
「いや なあに そんなつもりはないよ ただ俺は平穏に暮らしたいだけさ」
くっ……! まあ いいでしょう その茶番に付き合いましょう で なんの練習ですって?
「や ただ俺がお前に子供らしい質問をぶつけるので お前は 親として相応しい返答をする それだけだ」
えっと 子供らしい質問って 『赤ちゃんはどこからくるの?』とかですか
「そんな感じだな。 それに対して『女性器!』と即座に返答してみせてこそ 親ってものだ」
そうかなあ?
「そうなんだ。 さあ じゃあ 練習いくぞ」
ど どうぞ
「鬼ごっこ 逃げるほうと追いかけるほう どっちが鬼なの?」
え どっちでしょう。 追いかける方が鬼なんじゃないですか?
「お前は本当に馬鹿だな」
えー。 いきなり全否定じゃないですか
「もっと お父さんぽく答えろよ。 さらには返答が全然なってねえ。 追いかける方が鬼? そうじゃないだろ。 さらには 逃げる方が鬼でもない」
じゃあ 答えようが無いじゃないですか
「子供の出した選択肢に縛られてるようじゃ お前も子供と同レベルってことだろうが。 第三の答え 子供の識域外の答えを標して選択肢を広げてやるのが親の務めってもんだろ このアダルトチルドレンが!」
兄さんにそんな事云われる筋合いはないですよ じゃあ 第三の答え ってなんですか
「追いかける方が鬼でも逃げる方が鬼でもない。 鬼ってのは 数が少ない方の事だ。 多数を一人で追いかけてるのなら その一人が鬼 多数から一人が逃げているのなら その一人が鬼だ。 多数から弾かれ零れ除けられた少数が 鬼と呼ばれてきたのは歴史的にも正しい」
そんなの兄さんの 根拠のない持論でしかないじゃないですか
「その場で納得させる事ができれば 納得したと勘違いさせることができればいいんだよ 俺の勝ちなんだよ! ソレぐらい理解しろ」
うわあ 殴りてえ
「じゃあ 第二問。 人はなんで人を殺しちゃいけないの?」
うー 兄さんを殺す理由は山ほどありますが 人が人を殺しちゃいけないだなんて当たり前の事 なんて答えたら
「お前は矢張り救いようのない大馬鹿だな 手の施しようがない。 さっきの質問に対する答え方に 何も学んでないだろ」
さっきの答え方って 第三の答え 選択肢以外の答えを出す でしたっけ。 でも 今の質問に選択肢はなかったんじゃあ?
「これだから応用を知らないマヌケは嫌だよ。 いいか 『人はなんで人を殺しちゃいけないの』の質問には 人が人を殺すのはいけないことであるという前提があるわけだ。 なら なんでその前提を覆さない。 はっきり云おう! 『人は人を殺すことができる』と!」
ええー。 子育てのモラル的にどうなんですか それ
「だから 続きがあるんだよ。 人が人を殺すのは 殺すと云うことを出来るということだ。 ただの可か否かだけのことだ。 だから云うのだ 『敵は殺してもいいが味方は殺すな』とな。 子供に考えさせるんだよ どこまでが敵で どこからが味方なのかを。 つまり 損か得かの計算だ。 生かして損なのは敵 生かして得なのは味方 殺して得なのは敵 殺して損なのは味方。 自分の物差しで敵味方を区別させ さらにはその物差しと他人の物差しを比べることを知るのだ 自分にとっては敵だけれども他の人にとっては味方だった場合 ソレを殺した場合に自分が他の人にとって敵と見なされる それは自分にとって損か得か。 その区別がつかないと 自分以外はすべて敵 ってことになる。 あと 自分にとっての味方の範囲を どこまで広げることが出来るか考えさせる 例えば隣人 例えば集団 例えば共同体 例えば国 例えば星 とな。 さらには その損得勘定を捨てることが出来るか考えさせろ。 自分にとって得だと思えることは全ての人にとって得であると考えるのは宗教で 損得関係なく行動できるのなら ソレは愛情に他ならない というこ ……ん? どうした まだ話は途中だぞ 何をしているんだ?」
ええっと 兄さんが何を云ってるのかよくわからないのだけれども 兄さんの話を聞いているのは 僕にとっては損で 兄さんが生きているのは僕にとっては大損で 兄さんは僕の敵で 敵の兄さんは生きていてはいけない というのは理解できましたよ。
と 僕 花を手折るように 兄さんの繊弱な首 ポキリと捻った。
2009-11-30(Mon) | 未分類 | comment : 4 | Trackback : 0 | △
彼女が云いました。
「僕には父がいて 母はいなくて 父の手で育てられました。 けれども父は苦手で 殊更 料理に苦手で 作る料理の全てが 苦みばしって 凄まじく 不味いのです。 苦虫を噛み潰すような味とはこのことを云うのだな なんで ただ普通に炊いただけのご飯が こんな 青虫を煎じたような カメムシを擂り潰したような味がするのでしょう 一口 食べた瞬間 風が語りかけます 苦い 苦すぎる。 おかずの焼き魚も苦い 漬物も苦い 和え物が苦い 味噌汁が苦い 食後のデザートまで苦かった。
けれども 小さい頃からご飯を作ってくれるのは父一人 この苦さに慣れ親しんで 苦いのが当たり前 苦虫が父の味。 三度の食事ってのはこんなもので 他の皆も苦いものを毎日食べているのだなあ と 思っていたのです 学校給食というのを知るまでは。
父さん 僕 父さんの作ったの 不味くて食べれないよ もっと美味しいもの食べたいよ 苦くない 甘かったり塩っぱかったり辛かったり 美味しいものを食べたいよ 父さんの料理は 苦くて不味いよ 他の家みたいに美味しいものが食べたいよ。
僕の我儘を聞いた父 ちょっと寂しげに微笑んで。
「すまないね コレはうちの血統的なもので仕方がないのだ 私が作る食べ物は どんな物も苦くなってしまう とても迷惑なシロモノなのだ。 こんな時 母さんが生きていてくれたら おっと 弱音を吐いても仕方がないのだ」
死んだお母さんのことを出されたら 僕 黙るより他ありません。 ちょっとションボリしている僕を見て 父が云いました。
「なに この厄介な体質も そんな悪いものではないのだ この苦い料理を食べ続けると 病気とは無縁になる。 なにしろ 父のこの手は苦手 ヤマイムを祓う苦手なのだ」
ヤマイム? なんなの それ
「ヤマイムってのは アレだ。 病の虫 と書いて ヤマイム。 昔ッから病は何かの虫によって引き起こされると考えられてきた。 夜泣の虫に疳の虫 歯痛の虫に疝気の虫 あと三尸もヤマイムと云えるのかな。 とにかく病を起こす いろんな虫がいる。 実際に見えるわけじゃない 実在するわけじゃない 概念的な存在なのだ 幻想的な存在なのだ。 そして 父のこの苦手こそが その幻想をぶち壊す手なのだ この手は我が手にあらず 常世にいます久斯の神 少彦名命の苦手なり ってことなのだ」
え なんのことか理解できない
「貝原好古の諺草にはこうある。 苦手 靈樞云。爪苦手毒。 爲事善傷者。 可使按積抑痺。 手毒者。 可使試按龜置龜於器下而按其上。 五十日而死矣。 これ世にいふ苦手也。 此者芋の莖を折に其味苦し。 又腹の痛を抑て効あり。 又蛇を捕るに蟠りてうごかず。 俗に蛇たましと云。 是苦手也」
いや 更に理解できないよ
「つまり 苦手の持ち主は 爪から苦い毒が出て 食べ物を苦く不味くするけれど お腹が痛いときに摩ると痛みが治まるし 苦手に掛かると蛇は身動きすら出来ずに捕まえられてしまう。 蛇は別名ナガムシということから 虫と蛇は同義ってことだろう。 虫送り行事のとき燃やされる藁人形に蛇形のがあるって事だから 虫=蛇=悪霊=ヤマイム であり 苦手の毒はソレらを摩って祓う 掃って落とす という 是がウチの血統に脈々と伝わるヤマイム殺しの苦手の力 なのだ」
血統に伝わってるってことは 僕にも?
「娘にも。 ただ 父とはちょっと違うのだ。 我が血統の男にのみ 苦手は現れる。 男だけがヤマイム殺しの毒を手から出せる。 女には苦手が現れることはない。 だが 嘆くな 娘よ。 女は苦手の毒を身に蓄えることが出来るのだ。 だから 父の作った料理を食べ続けた娘の身体には 苦手の毒が蓄積されている。 その毒のおかげで あらゆるヤマイムは取り憑けない。 このまま父の手料理を食べ続けたら 更に毒が蓄積されて 娘そのものが毒となる 病気の人に近づくだけで その人に取り付いたヤマイムは苦しみ踠き 足掻いて死んで 病が治る。 そしたら娘よ お医者要らずのイキガミ様扱いだぞ 新興宗教団体の神様になれるのだぞ」
そんなのに一切興味はないのだけれど なかったのだけれど なりたくもなかったのだけれども 納得も出来なかったけれども。 じゃあ僕が父のかわりに料理を作れば 苦いモノを食べなくても済んで万事解決だったんだろうけれども。
僕 壊滅的に料理が下手でした。 苦いものばかり食べ続けたから舌が馬鹿になってたのかもしれないけれど そんなの関係ないくらい 絶望的なのしか作れなかったのです 料理してるはずなのに化学反応的なことが起きるってのはどういうことなの 苦いどころの話じゃない 刺激臭と黒煙がごちゃ混ぜになった挙句最終的に子安とZAZELがシンクロしちゃったような 猛毒みたいなシロモノしか作れなかったのです。 だから 父の苦い手料理のほうがマシだったから それを食べるしかなくて。 父が交通事故で死ぬまで 父の手料理を食べ続けて 苦手の毒を蓄え続けたのです。
まあ 結果的に 病気の人に近づいただけでその人のヤマイムを殺せるくらいの毒人間になるには 毒の蓄えが足りなかったのですが。
あっと そんな絶望的な顔をしないでください。 確かに 今の僕には 近づくだけで 触れもしないで その人に憑いたヤマイムを殺すだけの毒はありません けれども。 ヤマイムを殺すだけなら簡単なのです アナタに憑いてる 現在進行形の不治にして死に至る病の虫を 殺す為の方法はあるのです。
僕の身体には 苦手の毒が蓄積されています 頭の天辺から爪先まで隅々に行き渡っています つまり 僕自身がヤマイム殺しの苦手の毒であり アナタの病を癒す薬なのです。 僕の髪 僕の爪 僕の血肉 僕の汗 僕の唾液 僕の分泌物 僕の排泄物が 薬となるのです。 ただ ヤマイムを殺すのに どれでもいい というわけでもありません それぞれを材料として混ぜて合わせて調えて その人に取り憑いたヤマイムに合った毒を作り出すのです。
さて アナタのヤマイムを殺す為の処方箋はと云いますとですよ。 えっと 僕が 一日中履いて たっぷりと蒸らしきったハイヒールに ぼ 僕のけけ経血を満たしたモノ これを飲むと あなたに取り憑いたヤマイムは 死にます けれども」
彼女 心底厭そうな顔をして 僕の顔を見て云いました。
「普通の人は そんなのを飲ませられるのか とギョッとした顔をするものです けれどもアナタはなぜ そんな嬉しそうな顔をしているのですか ご褒美を貰えたみたいな顔をするのですか それは あなたの心の歪みから来る また別の病気の所為です その病気には 苦手の毒は効きません 悪しからずご了承ください」
2009-10-07(Wed) | 未分類 | comment : 12 | Trackback : 0 | △
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